電気と保安 2020年 冬季号 Vol.280 東北電気保安協会
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岩鋳飯岡工場5に見ることができ、県内随一の品揃えを誇る鉄器ギャラリーでは、鉄器の過去と現在を体感することができます。鉄器にまつわる、さまざまな文化工芸の魅力を、それぞれの感性でお楽しみいただけると思います。また、6月第2土曜日に開催される「チャグチャグ馬コ(うまっこ)」や、東北を代表する夏祭り「盛岡さんさ踊り」の展示も行っています。大型バスで大勢のお客さまにお越しいただいており、外国の方もたくさんいらっしゃいますね。    もともと、当社はお客さま本位の商売を心がけてきました。特に品質を向上させて、お客さまが喜ばれる製品をお届けすることが、商売のいちばんの原点だと思っています。それから、人間として何事にも謙虚であることを大事にしてきました。まだ足りないものがあるのではないかと不断に精進するという心構えが、私たちにとって明日に続く道なのではと考えています。坂 本:お考えに大変感銘を受けました。お客さま第一ということですが、今後の商品開発や販売戦略という面でどのような展望をお持ちでしょうか。岩清水:たとえば日本の有名なデザイナーを起用して、当社でデザインした優れたものだといっても、海外にもって行けばそれがそのまま通用するわけではありません。フランス向けだったらフランスのデザイナー、アメリカ向けだったらアメリカのデザイナーと、現地のデザイナーに依頼した方が戦略的にいい場合もあります。デザインや形だけでなく、用途に合致した機能性を設計する視点も重要です。昔は鉄瓶は七輪にかけていましたが、向こうには七輪がない。じゃ坂 本:なるほど、単純な道具ということではなく、工芸であり、文化であり、生活であり、という非常に深みのあるものづくり、ということですね。いい製品を生み出す仕事場として、職場の安全衛生や働きやすい職場環境づくりなど、どのように取組んでいらっしゃいますか。岩清水:昔は3Kの代表と思われていたのも無理からぬことでしょうが、私は直感的にとにかく工場をいちばん先に、今以上に明るくしたいと思っています。LED照明で工場内を明るくしたり、明るくなれば、危険ラインに黄色のラインを引くなどのことも効果的になります。集塵機ももっと充実させて、働きやすい工場づくりに向かっていきたいと思っていました。坂 本:弊協会では、電気設備や照明設備の省エネ診断、電気を安全にご使用いただくためのセミナーなども行っていますので、ぜひお気軽に声をかけていただければと思います。岩清水:電気全般について保安協会さんに見てもらっていれば、経営者としてはすごく安心なんです。電気系統の不具合や漏電について不安を感じることなく仕事ができれば、何より心強いことです。これからも、どうぞよろしくお願いします。坂 本:本日は、400年以上も前からの伝統を今に受け継ぎながら東北の企業として技術の研鑽を続け、海外輸出を将来戦略と位置づけるような変革にも挑んでいる岩鋳さまのお話を聞かせていただき、感慨深い時間を過ごさせていただきました。大変ありがとうございました。どうする、形を変えるか、と。今までもいろいろな模索がありました。ですから、なるべく現地のお客さまの話を聞いたり、現地の生活様式を知ったりすることも大事になります。こちらの伝統や日本人としてのこだわりを一方的に押し付けても、道は開けないですね。良い製品をつくるための環境づくり

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