電気と保安 2020年 冬季号 Vol.280 東北電気保安協会
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岩鋳本社。観光交流拠点として多くのお客さまが訪れる「岩鋳鐡器館」を併設する2北海道などに販路を拡大しますが、時代の変化とともに鉄瓶にも陰りが見え始めました。しかし彌吉は果敢に工芸品の生産や機械化、新製品の開発など変革を進め、昭和37年には株式会社に組織変更するまでになりました。彌吉社長が生産面の指揮をとり、多喜二専務が販売を引き受けて、オートメーション化を図り、会社は業界トップクラスまで躍進しました。彌吉の後は多喜二今季号のお客さま坂 本:岩鋳さまは明治35年(1902年)創業とお聞きしていますが、創業からの沿革についてお聞かせ願います。岩清水:私の祖父の岩清水 末吉が創業者です。2代目は末吉の長男で私の父の彌吉。昭和37年4月に初代社長となります。2代社長は彌吉の弟の多喜二。そして3代社長が私です。現在は私が代表権のある会長、岩清水 弥生が第4代社長を務めています。    初代は南部鉄器職人のもとで修行し独立して鉄瓶の製造販売を始め、明治から大正、昭和初期へと激動の時代に家業の基盤をかためてきました。しかし、昭和16年12月太平洋戦争に突入すると、鋳造販売禁止の措置を受け、厳しい時代が続きました。戦後、彌吉と多喜二は南部鉄器の製造を再開し、株式会社 岩鋳代表取締役会長岩清水 晃さま 明治35年、一人の職人の小さな工房から始まった南部鉄器のものづくりが、117年の時を経て、海外に商品展開をする企業にまで発展しました。400年以上の伝統がある南部鉄器製造の伝統を守りながら、海外進出にあたっては大胆な変革を実行し、大きな評価を得ています。 本日は、株式会社岩鋳 岩清水 晃 代表取締役会長をお訪ねし、弊協会常務理事 坂本 邦夫がお話しをうかがいました。東北電気保安協会常務理事坂本 邦夫南部鉄器の基本製品、鉄瓶苦難を乗り越え、挑戦を続けて岩手県盛岡市 株式会社 岩鋳 さま

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