電気と保安 2020年 冬季号 Vol.280 東北電気保安協会
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⑥② ③① M⑤高圧コンデンサ3kV用遮断器【測定機器】DGROVGR④【試験器】[測定個所]①6kV線間電圧 [V]②3kV線間電圧 [V]③PAS-ZPD出力[mV]④3kV-ZPD出力[mV]⑤6kV電流    [A]⑥3kV電流    [A]処理場図1 単線結線図(簡略)図2 計測波形例図3 計測値例13ZPDPAS屋外屋内6kV主遮断器200V系動力他6kV/3kV変圧器屋外高圧モーターVTTCTTCTTVTT(1)設備停止時における3kV主遮断器の開放動作a 夜間でも屋外の3kV側一部設備で、小動物等による一時的な地絡動作が考えられる。b  配電線の大きな電圧変動により電圧が不平衡となった場合、3kV側ZPD二次側に零相電圧として出力され、設定値を超過することで、開放動作に至る可能性がある。(2)3kV主遮断器投入時の零相電圧(Vo)発生について投入操作時の電圧変動や、3kV系負荷設備における一時的な不平衡があった場合には、設備に異常がないにもかかわらず零相電圧が検出される。投入後の励磁突入電流の変動に応じて、電圧変動と零相電圧の発生が見られ、励磁突入電流の大きさと継続時間は、投入位相と負荷、残留磁束(開放時の負荷、位相)などの条件により大きく異なり、今回操作時より大きなレベルで長く継続する可能性がある。(3)運転状態における継電器誤動作の可能性通常稼働時の測定結果から、OVGRが当初の設定値の場合、3kV負荷の変動や始動時にも動作する可能性がある。また、変更した設定値では停電事象は再現しておらず、運転に支障は生じていないものの、当該設備の3kV側地絡保護が、OVGRのみの方式であるため、配電線の不安定や自社負荷の急変により電圧変動(不平衡)が生じた際は、今後もOVGRが誤動作に至る可能性があるため、同様の事象が発生する場合は、適正な保護方式を検討することとしました。電気設備における停電事故は、業務に多大な影響を及ぼす恐れがあります。総合技術センターでは、事業所単独で実施が困難な電気事故探査や試験の技術支援を行っております。4 考 察初回調査及び再調査の結果から、以下について考察しました。5 まとめこれまでの調査結果を踏まえ、当初の設定値では、停電後の復電及び通常運転における負荷操作においても誤動作による停電に至る恐れがあるため、測定データを根拠に、変更した設定値で今後も運用することとしました。

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