電気と保安 2019年 夏季号 Vol.278 東北電気保安協会
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焼損したコンセント配線6天井に設置しているコンセント内の接触不良で、モーターが焼損した事例を紹介します。10月中旬の14時00分頃、機械部品加工のお客さまから「工場内設備ミストコレクター(工場機械から発生するオイルミストを捕集する装置)内のモーターが動かなくなったので点検してほしい」と事業所に電話連絡があり出動しました。30分後に到着しお客さまにお話をお伺いすると、「モーターが今まで何事もなく稼働していたのに、なぜ動かなくなったのか。他の設備は大丈夫なのだろうか」と大変心配しておられました。動かなくなったミストコレクターの電源が天井コンセントに接続されていたため、お客さまから脚立を借用して、動力用コンセントの電圧をテスターで測定したところ、通常は200VのところR相とS相間で50ボルトと電圧が異常であったことから、コンセントを分解して内部状況を確認しました。すると、赤相の電線が溶けて焼損していました。当該動力用コンセント(4P20A引掛埋込タイプ)は設置後20年以上使用されており、経年劣化で電線の接続部のボルトが緩んで過熱焼損し、接触不良で正常な電圧で電気を供給できなくなる単相運転となり、ミストコレクター内のモーターが焼損したものと推察されました。お客さまに了解をいただき、当該回路の電源を停止して、予備のコンセントと交換を行い約1時間後に仮復旧しました。後日、協会にて当該動力用コンセントを含めた工場内天井動力コンセント50台の交換と工作機械などその他電源の増締めを実施いたしました。「電気は見えないので非常に心配だったが、今回、工場内の天井動力コンセントを交換していただき、また、その他の設備も点検していただいて安心しました」と感謝の言葉をいただきました。今回の事例は、これまで何事もなく使用していた動力用コンセントの不具合で、モーターが焼損に至った事例でした。日頃の点検では、天井や壁面等に埋め込まれたコンセント内部の不具合状態を確認することは難しいと思いますが、注意深く点検を行うとともに、経年劣化がみられるコンセントについては、計画的な交換をお客さまにお願いしてまいります。米沢事業所 亀井 隆幸〔状況〕〔調査〕〔原因〕〔復旧〕まさか、コンセントが原因でモーターが焼損?〔お客さまの声〕〔まとめ〕検査員の現場報告1

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