電気と保安 2019年 夏季号 Vol.278 東北電気保安協会
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いか墨カスター小売部門「創季屋」(八戸総合食品センター内)完熟林檎箱FSSC22000食品安全認証・取得「A-HACCP(あおもりハサップ):青森県食品衛生自主衛生管理認証制」を取得4多いんです。つまり、お客さまのための配合、お客さまのための作り方、お客さまのためパッケージまで、すべてを一緒に作らせていただくというスタイルになります。同業他社の人たちがやらない、当社の強みはそこではないかと思いました。渡邉:なるほど、提案型の卸販売ですね。商品展開は、今はどのようになっていますか。田中:どらやき、コロドーナツ、ソフトムーンケーキ、バウムクーヘンが主力商品です。それぞれの商品ジャンルの中に素材や味の違いなどいくつかの種類を設けています。ソフトムーンケーキの中に、社長が企画した「いか墨カスター」というものがあります。これはもう20年前に開発されたものですが、最初は「こんな黒くて気持ち悪いモノ誰が食べる」と言われましたが、こだわりを持って信じて作り続け、今では地元八戸らしい青森銘菓として好評をいただいています。   八食センターに入っていた店舗は、平成8年に八食センターがリニューアルしたため、店舗ブースを拡大し店舗名を「創季屋」と改め、自社商品とともに青森県内の代表的なお土産品を一堂に集めて販売しています。   どらやきの海外輸出の案件にもトライしていましたが、最近ようやく実を結んできました。今ではアメリカ、カナダ、香港、台湾などに広がっています。渡邉:震災以降、現社長と専務のご尽力でさまざまな面で会社が変わり、大きく新たな飛躍の道に踏み出すことができているとお見受けいたしますが、その引きがねとなったのは何だったのでしょうか。田中:わずかに残ってくれた従業員以外、ほぼ新しい人材でスタートしていくために、会社の土台である企業理念を作って、この会社で働くための気持ちを共有できたこと。そして実際にこの理念のもとで、みんなで力を合わせて働きやすさということを創り出してきました。パートさんに対して、日曜祝日は確実に休み、たまには土曜日も休み、17時になったら退社で、残業はさせない。「お子さんが熱が出たり何かがあったら、すぐ早退していいよ、運動会や参観日も希望を出して休んでいいよ」という働き方を徹底しています。   もう一つは、食品会社として安全・品質・衛生管理を会社の存亡に関わることと認識し、行動に移したのが大きかったと思います。   当社は、青森県産食品の製造・加工施設を認証する制度「A-HACCP(あおもりハサップ)」を取得していますが、これに加えて新工場のオートメーション化されたラインについての衛生面の安全・安心を強化しようということで、「FSSC22000」の認証規格も取りました。これはISO22000をベースに、より確実な食品安全管理を実践するための食品安全マネジメントシステムの国際規格です。   たとえば、どらやきの中心温度が何度以上で何分何十秒焼いて滅菌している、手を触れずに個包装して菌が入らないようにしている、何月何日何時何分に、誰が作ったか、どの原海外に飛び立つどらやき安全安心こそ、商品の魅力

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