電気と保安 2019年 春季号 Vol.277 東北電気保安協会
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14 電力・ガス監視委と国民生活センターでは、スイッチングに関連した電話勧誘があった場合には、事業者名を確認するとともに、自らの意思を明確に伝える必要性を強調しています。また、切り替えの意思がなければ、顧客番号や供給地点特定番号といった検針票の記載情報を不用意に知らせないようにともアドバイスしています。 小売電気事業者の営業活動が本格化した2016年1月以降、国民生活センターと消費生活センターには電力小売り全面自由化関連で計6,836件(2018年11月30日時点)の相談が寄せられています。このうち、2018年7~9月には相談の63.5%を電話勧誘のトラブルが占めました。また、電力・ガス監視委にも計2,642件(同)の相談がありました。 エネルギー関連では、分散型電源の導入、製油所・油槽所への非常用発電機の配備に加え、自家発電設備を備えた「住民拠点SS(サービスステーション)」を全国約8,000カ所へと拡大することも記載しました。 2014年の策定以来、今回が初の改定となった国土強靱化基本計画の中でも、緊急対策は特に優先度の高いものが対象です。2018~20年度にかけて集中的に取組み、進捗状況は定期的にフォローアップする考えです。総事業費約7兆円のうち、防災分野で3.6兆円程度、経済・生活基盤分野で3.4兆円程度を見込んでいます。 緊急対策と基本計画の改定は、閣議に先立って開かれた国土強靱化推進本部と関係閣僚会議で決定されました。安倍晋三首相は「災害が激甚化する中、防災・減災や国土強靱化は喫緊の課題。スピード感を持って進めていく必要がある」と話しました。(記事提供 電気新聞)電気の契約変更、悪質な電話勧誘に注意を個人情報の慎重な扱いなど 監視委と国民生活センターが呼び掛け 電力・ガス取引監視等委員会と国民生活センターは、2016年4月の電力小売り全面自由化から約3年が経過したことを受け、電話勧誘でのスイッチング(供給者変更)について、消費者に注意喚起を行っています。顧客番号などを誤って伝えてしまい、切り替えの意思がないにもかかわらず、知らない間に契約手続きが進むといった悪質な事例があったためで、検針票に記載の個人情報を電話で安易に知らせないよう呼び掛けています。 具体的な事例としては、大手電力をかたる小売電気事業者からの電話に対し顧客番号を伝えたところ、当該事業者との契約に勝手に切り替わっていたり、資料請求のつもりが本契約扱いとなり、解約のための手数料を請求されたといった例がありました。自然災害の続発受け 重要インフラの緊急対策決定3年で7兆円、エネ分野に3,000億円 政府は、2020年度までの3年間で集中実施する重要インフラの緊急対策と、国土強靱化基本計画の改定を閣議決定しました。緊急対策の事業規模は、財政投融資を含め総額7兆円程度を見込んでいます。このうち、電力などエネルギー分野には3,000億円を投じる方針で、約55万kW分の分散型電源の導入、燃料供給の要となる製油所での非常用発電機の整備・増強などを進めるとしています。 緊急対策は、2018年に相次いだ西日本豪雨や台風21号、北海道胆振東部地震といった自然災害を踏まえ、各府省庁が実施した重要インフラの点検結果を踏まえて策定。インフラ機能を「防災」と「経済・生活基盤」に大別し、計160項目を盛り込みました。 具体的には、河川氾濫を防ぐため堤防の強化対策やかさ上げを実施。非常時でも診療機能を維持できるよう、病院の耐震化率の引き上げや電源の配備も行います。5

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