電気と保安 2019年 春季号 Vol.277 東北電気保安協会
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図1 雷インパルス試験電圧例図1 雷インパルス試験電圧例図2 温度試験後の分電盤熱画像10近年、低圧分電盤や高圧キュービクル等(以下「電気工作物」という。)が日本工業規格(JIS)、電気規格調査会標準規格(JEC)及び日本電機工業会規格(JEM)等が要求する「構造や性能」を満足しているかを検証するための、問合せや試験依頼が増えています。弊協会総合技術センターは「インパルス試験装置」を所有していることもあり、その問合せや試験依頼に応え、各規格に規定されている「雷インパルス試験」及び「温度上昇試験」を、事前打ち合わせのうえ実施させていいただいております。今回は、これまで実績のある、「JIS C8480 キャビネット形分電盤」に基づく低圧分電盤に関する試験から、「雷インパルス耐電圧試験」及び「温度試験」に加え、総合技術センターとして初めて実施した「短時間耐電流試験(5[kA])」についてご紹介いたします。雷インパルス耐電圧試験は、雷などの異常電圧が電気工作物に侵入しても、絶縁破壊や絶縁物が損傷しないことを検証する目的で行われます。試験条件は、各規格により試験電圧(大きさ)、極性(プラス・マイナス)、波形(雷に似せた形)及び試験回路毎の試験回数等が細かく規定されています。総合技術センターが所有している「インパルス試験装置」は、100[kV]までの雷インパルス試験が可能で、これまで試験電圧が5[kV]の低圧分電盤から60[kV]の高圧キュービクル等の試験実績があります。今回の試験では、JIS C8480に規定されている「雷インパルス耐電圧試験」から、試験対象分電盤の仕様である単相3線式(100/200[V])に適用する2.5[kV]のインパルス耐電圧試験を実施しました。分電盤の「温度試験」は、各分岐開閉器に定格電流の2/3以上の電流を流し、1相の合計電流が主幹ブレーカーの定格電流以下(分電盤定格電流)となるよう分岐回路数を選定します。電流を流しながら数時間かけて、各部の温度変化が安定した値から温度上昇値により良否を判定します。2.52[kV]2.52[kV]1 雷インパルス耐電圧試験2 温度試験温度試験は、電気工作物の機器及び材料が規格に定められている温度上昇限度を超えないことを検証する目的で行われます。分電盤試験に係る技術支援3

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