電気と保安 2019年 冬季号 Vol.276 東北電気保安協会
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佐渡金山近代化のシンボル、日本最古の西洋式竪坑「大立竪坑」。深さ350m以上に及ぶ。佐渡産こしひかりが食べられる金山茶屋佐渡金山近くの大間港の夕日きに合わせて国内外へのアピールのためのキャンペーン、各種メディアを通した内外への情報発信など、積極的に協力させていただいています。坂本:ぜひ世界遺産に登録されることを期待しています。最後になりますが、こうした重要度の高い広域観光施設として、設備管理面などで留意されている点はおありでしょうか。浦野:もともと文化財という指定がありますので、あまり私どもの方で何かを変えるということはできません。現状維持というのが最大の宿題になっています。鉱山ですので、当然のことですが坑内の温度や換気、湿気、地下水などを含めて地表の普通の条件とはまったく違います。そういった気象や湿気による設備・機器の腐食や劣化などに対してどのように対応し、施設を維持管理していくかというのは、非常に大きな課題としてあるわけです。佐渡の坑道は特に地下水が多いので、電気系の取扱いについては注意が必要であることは間違いないですね。さらに屋外設備や電気設備、電線などについても、近年は台風や集中豪雨、雷雨、土砂崩れなども多いので、その影響に対する注意や警戒が必要なのかなと考えています。坂本:最も基本的で重要な保守管理、安全管理の部分ですね。弊協会も常日頃、佐渡金山の施設の保守管理、安全管理という重要な役割の一端を担っているという思いで、業務に従事させていただいています。電気の安全や電気設備の保守管理、また従業員の方の作業安全確保についてのセミナーなども実施していますので、何でもお申しつけいただければと思います。浦野:私どもの場合は、大型の工場のようなシステマチックな考え方ではないですから、私自身も含めて一人ひとりの従業員の意識の持ち方がポイントになると考えています。今後とも、ぜひ適切なアドバイスをいただけたらと思います。坂本:今日は、江戸時代から近代までの歴史的推移を体感できる、極めて貴重な日本の産業遺構佐渡金山のお話を、たいへん感慨深く聞かせていただきました。ありがとうございました。5社会的役割を担う設備の管理

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