電気と保安 2019年 冬季号 Vol.276 東北電気保安協会
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「粘土が銀になる体験」お皿に本物の金箔を貼る「金箔貼り体験」相川の北沢地区にある金の浮遊選鉱設備坂本:もともと日本にしっかりした鉱山技術があり、その上で日本の技術と西洋の技術が融合して近代化につながったというのは非常に興味深いお話ですね。次に、観光的な施設として何か工夫されている企画などはありますか。浦野:日本の観光の流れは大きく変わりました。かつては団体でいらっしゃって観光地に宿泊し、周りを見学して買い物をして帰るという流れでしたが、今はせっかく訪れたのだから、その土地ならではの何かを自分で体験してみたいという人が多くなっています。当施設では、観光コースの見学以外に「粘土が銀になる体験」や「金箔貼り体験」を行っています。   「粘土が銀になる体験」は、焼くと99.9%銀になる粘土状の金属素材で、世界で一つのアク坂本:なるほど、まさに佐渡金山ならではの体験ですね。この施設はひとつの観光施設ということに留まらず、佐渡市や新潟県あるいは日本全体としても非常に重要な役割を担っていると、私などは思いますが、いかがでしょうか。浦野:佐渡は、古くからある文化や歴史に対する背景が非常に深いところですが、多くはお寺や神社に関わるものです。当施設は産業的な遺構であることから、佐渡全体の美しい景色の中で異質の存在となっています。その異質な存在感をどのように生かしていくかということが、将来の新しい観光のキーになると考えています。世界遺産登録については、平成18年度から新潟県・佐渡市共同で登録推進事業に取組み、平成22年にユネスコ世界遺産暫定リストに記載済みです。私どももこれらの動セサリーを作ることができる体験です。「金箔貼り体験」は、お皿に実際に金箔を貼って仕上げてもらいます。それから、実は基本となる2つの坑道の他に、江戸時代から残っている未整備のままの真っ暗闇の坑道を探検する「ガイド付山師ツアー」というのも企画しています。ちょっとワイルドなルートが好きな人、上級者向けで、健脚者以外はご遠慮いただくコースですが、お問い合わせも参加者も多く、ご好評をいただいています。4佐渡ならではの体験工房世界遺産登録に向けて

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