電気と保安 2019年 冬季号 Vol.276 東北電気保安協会
15/24

高圧事故件数[件]9H297H288H27※電気事故(緊急対応)の内、高圧事故の部位別割合(平成29年度)図2 高圧事故の推移図4 引込施設の事故発生部位比較17%(出典:平成30年警察白書)高圧事故とは、高圧機器のトラブルでお客さま設備が全停電事故となったものをいい、図2のとおり年間約1,000件発生しています。お客さまからの緊急連絡で出動した結果、「全停電」であったのは平成29年度で822件であり(図1)、これに監視装置の警報や東北電力(株)からの連絡など、実際に現地に出向いたら高圧事故であったというものとを加えると1,133件(波及事故の9件も含む)となります。これは、弊協会のすべてのお客さま軒数の2.07%となります。お客さま設備の高圧事故が、どの程度の発生頻度なのかをイメージしていただくため、図3に自動車による交通事故と比較してみました。その結果は、高圧事故の方が3倍以上の高い発生割合となっています。高圧事故が一旦発生するとその復旧作業は難しく、高圧機器が破損などしていると復旧に数日を要することもあります。受電設備の中で、高圧気中開閉器、引込線、高圧ケーブル等の引込施設は、状況によって波及事故につながるおそれがあります。引込施設は、引込柱などの屋外に設置されているもので、季節、気候などの影響を直接受けることになります。図4に引込施設の事故発生部位の割合を示します。この中では、“高圧気中開閉器”が29%、“地絡継電器”が20%と全体の約50%を占めていることが分ります。高圧気中開閉器(写真1)と地絡継電器(写真2)は、高圧回路の漏電事故発生時に連動して自動的に電気を止め、周囲のお客さまへの停電拡散を防止するものです。しかし、これらの機器は長期の使用により電子部品が劣化して故障を起こしたり、落雷時には、異常電圧により電子部品が壊れることがあり29%20%13高圧電気設備の事故(平成29年度)全国の自動車による交通事故1,6001,4001,2001,000800600400200[%]2.01.51.00.50.00図3 高圧事故と自動車事故の発生割合母集団年間事故数1,133件(平成29年)472,165件1,3461,2341,1329871,0119311,2041,1131,33299291496717H2020H2130H2219H2314H2419H25年度2.07高圧電気設備の事故(平成29年度)その他14%高圧気中開閉器ケーブル等支持物6%地絡継電器引込線14%波及事故1,1231,1339589131,0981,12490595125H260.57自動車による交通事故(平成29年)波及以外の高圧事故54,830軒(お客さま軒数)8,226万人(運転免許保有者数)2 高圧事故3 引込施設の高圧事故

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る