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-7+[V][mV][A]0図2 測定波形例時間 10[ms/DIV]③ 測定結果から以下について確認しました。 a  6kV側及び3kV側の電圧は、概ね変圧器の変圧比どおり出力し、一次側、二次側の電圧変動時はお互いに同様の変化が現れている。 b  配電線を含む6kV側の地絡(夜間に配電線の微地絡と思われる)は、変圧器で絶縁され3kV側に現れていない。 c  稼動時には3kV側ZPD出力に高調波成分が多く見られ、OVGRへ零相電圧として入力されている。操作時に零相電圧が発生しOVGR動作(停電)となった可能性を考察しました。①3kV主遮断器の開放動作についてa  他物接触などの一時的な地絡による動作。b  配電線の大きな電圧変動により電圧が不平衡となり、3kV側電路内に現れる残留電圧が、零相電圧として検出され動作。②3kV主遮断器投入操作時の零相電圧発生についてa  投入操作時の電圧変動、又は3kV側負荷設備の一時的な不平衡による動作。b 高調波による誤動作。3kV側負荷の再稼動時に高調波成分が発生するとOVGRに零相電圧として入力される。当該OVGRは、内部フィルタにより基本波成分以外が抑制されているが、過大な入力が継続した場合、OVGRの検出値に影響を与える可能性がある。①3kV側電路の高調波測定を実施し、周波数成分と発生レベルを確認する。②3kV側OVGR入力値を一定期間計測し、入力レベルと周波数成分を確認する。③3kV側主遮断器開放(停電)状態から、投入操作時の零相電圧発生の再現を確認する。④OVGRの高調波特性の確認試験を行う。今回ご紹介した事例は継続して原因調査中でありますが、電気設備における停電事故は、業務に多大な影響を及ぼす恐れがあります。総合技術センターでは、今回のような停電事故の原因調査の他にも、事業所単独で実施が困難な電気事故探査や試験の技術支援を行っております。3 現地調査① 受変電設備の設置状況を確認しましたが、外観上機器の不備、設置の不備は見られませんでした。② 高速記録装置を使用し、各測定箇所(図1)のデータを同時測定しました。(測定期間は、夕刻から翌昼)(図2)4 考 察調査結果及び測定データを踏まえ、設備停止時における3kV主遮断器の開放動作と、3kV主遮断器投入5 今後の対応調査結果を踏まえ、原因の特定と今後の対応を検討するため、以下の再測定と確認を実施しました。

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