275
8/20

16図1 単線結線図(簡略)MMMDGROVGRZPD[測定箇所]①6kV線間電圧[V]②3kV線間電圧[V]③PAS-ZPD出力[mV]④3kV-ZPD出力[mV]⑤6kV電流[A]⑥3kV電流[A]PAS屋外屋内6kV主遮断器200V系動力他3kV主遮断器6kV/3kV変圧器屋外高圧モーターVTTCTT高圧コンデンサCTTVTT処理場高圧3kV設備を有するお客さま設備で発生した停電事故事象と、原因調査に関わる技術支援事例をご紹介いたします。高圧設備に設置される地絡過電圧継電器(以下「OVGR」という。)は、高圧電路のケーブル、機器等の絶縁劣化、電路と大地間が接触して起こる地絡事故を検出する保護装置です。組み合わせる異常検出装置(当該設備においては零相電圧検出装置、以下「ZPD」という。)により地絡事故時に発生する異常電圧(Vo)を検出し、その異常電圧(Vo)が設定値を超えると動作するもので、遮断器等を開放(停電)させることで保護し、変圧器二次側に接続される電路内の全ての地絡事故を検出します。今回は、OVGR動作によって停電となり、点検を行うも異常が認められず、復電操作を行ったところ再度OVGRが動作する事象が発生したことから、原因調査のための技術支援を行いました。6kV側回路と3kV側回路は、タイトランスで絶縁されており、3kV側の地絡保護用にZPDとOVGRが設置されています。(図1)② 3kV設備の点検後、異常が認められないため主遮断器の復電操作を行ったが、OVGR動作により3kV主遮断器が開放(停電)した。③ 該当設備の絶縁抵抗測定値には異常が見られなかった。④ 電力会社と確認のうえ、OVGRの設定値を変更し3kV主遮断器の投入に成功した。⑤ 3kV主遮断器の投入後、OVGRの異常電圧(Vo)表示値が通常時より高い値を示したが、徐々に値が下がっていった。⑥ 同様の停電及び復電時の再停電事象が期間をおいて過去2回発生したが、その後は正常に稼動している。1 当該設備の概要当該お客さま設備は、3kVモーターを有するプラント設備であり、高圧6kV受電設備から6kV/3kVの連絡用変圧器(タイトランス)を介し3kV設備に送電しています。2 停電事故の状況① 3kV系設備停止中(一部処理設備除き)に3kV側OVGRが動作し、3kV主遮断器が開放(停電)していた。3kV設備の停電事象調査に関わる技術支援

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る