電気と保安 2018年 夏季号 Vol.274 東北電気保安協会
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からあげ伊達屋4るということです。今は鶏インフルエンザ対策で野外での放し飼いはできないのですが、屋根付きの室内で走り回って健康になっています。伊達鶏はかしこくて、元気があるんです。会長は、この辺りの水の良さも指摘しています。阿武隈山地、奥羽山脈から得られた、この土地の水です。きれいな環境の空気の良いところで、良い餌と良い水を摂り、よく運動する。さまざまな条件が揃っておいしい味ができるのだととらえています。山下:そうすると、伊達の土地の環境や水も伊達鶏の味の秘密の一つということでしょうか。清水:そのとおりです。非常に大きい要素と考えています。山下:現時点での伊達物産さまの事業内容の全体像はどういう形になっていますか。清水:契約農家さんから鶏を仕入れて販売する流れは変わっていませんが、やはり課題としては農家に後継者がいないために生産者が減少しています。当社としては直営生産事業を拡大していく方向になります。   それから外食事業をやっています。「からあげ伊達屋」は直営です。ケンタッキーはフランチャイズとしての事業です。最近、地元に「道の駅」や「まちの駅」ができて、そこに入ってほしいという依頼があり、半分地域貢献という意味で「道の駅」には卸して、メニュー開発にも携わっています。また、4月26日にオープンした「まちの駅やながわ」には、直接テナントとして入りました。   もう一つは、鶏ふん、鶏から出た肥料を有効活用する動きを行っています。もともとこの辺りは養蚕が盛んだったので、鶏ふんを桑畑の肥料にして無駄なく循環させていたようですが、養蚕が衰え、桑畑もなくなり、肥料だけが余ってしまうという状況でした。そこで、いま耕作放棄地を活用して、鶏ふん肥料を使って野菜をつくろうという試みを始めています。   現状の伊達物産では農業法人になれないのですが、いずれ私は農業法人として農業に携わりたいと考えています。   当社としては、料理人の方と生産者の方が直接会える、会って話をすることで新しい取り組みのヒントを見つけてもらいたいということを大事にしたいと思っていますし、そこが強みと思っています。実際に東京のお客さまに、農場に行って直接農家さんに会ってもらって田植えを体験してもらったり、稲刈りを体験してもらったり、一緒にご飯を食べたり、そんな直接のつながりが生まれています。山下:料理をつくる立場の方だと、目の前にある伊達鶏をどんな人たちが育てたか、直接お会いすることで、まさに生産者の顔がわかるということですからね。清水:そうなんです。農家さんも料理をする人に直接会うと意識が全然違うんです。こういう人に使ってもらっているというのを見た方が、ただ育てればいいんじゃなくて、喜んでもらうものをつくらなくてはいけないという気持ちにもなってもらえるので、会ってもらうのが一番です。山下:日本の場合、食の安全というか、納得感という意味での安心というのを重視する消費者社会というか、おそらくそういう意味では世界で一番厳しいマーケットと思いますが、そのような安全・安心についてはどういうお考えでどんな取組みをされているかお聞かせください。清水:品質管理に関しては年々厳しさを増していて、要求されることは非常に厳密になってきてい伊達鶏を中心に、さまざまな展開厳しい安全基準と品質管理

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