電気と保安 2018年 夏季号 Vol.274 東北電気保安協会
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交換前コンデンサ五所川原市養護老人ホームくるみ園さま交換後コンデンサ交換後の基本料金(年間)1,015千円削減効果(年間)35千円1今回ご紹介する五所川原市養護老人ホームくるみ園さまは、自宅での生活が困難な65歳以上の方を養護し、自立した日常生活を営み社会活動等に参加するために必要な相談及び訓練、その他の援助を行うことを目的とした施設で、社会福祉法人五所川原市社会福祉協議会が運営しています。くるみ園さまの力率は、これまで96%から98%の間で推移しておりました。東北電力株式会社の電気料金は、「基本料金」、「電力量料金」、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の合計金額となります。基本料金は下記の計算式で算出され、力率85%を基準として1%上回るごとに1%割引き、逆に1%下回るごとに1%割増しとなり、力率100%で最大15%の割引きとなります。そこで力率を100%にすることで、電気料金の削減が期待できることから、既設の高圧進相コンデンサ(以下、「コンデンサ」という。)より容量の大きいものを導入することとしました。基本料金=基本料金単価(円/kW)×契約電力(kW)×力率修正率(100%+(85%-平均力率(%))既設のコンデンサ容量10kvarを容量の大きい20kvarに交換することで、力率を100%とすることができます。加えて、コンデンサは、交換推奨時期※の15年を大幅に超える26年が経過しており、故障による停電事故なども懸念されることから交換を提案しました。※更新推奨時期とは、一般社団法人日本電機工業会「汎用高圧機器の更新のおすすめ」を参考としています。コンデンサの交換後、力率が100%に改善されました。基本料金の削減効果は下表のとおりとなります。交換前の基本料金(年間)1,050千円コンデンサ交換の工事費用は96千円であり、約2.7年で投資回収ができます。このように力率は2~4%の改善であっても、年間数万円程度の基本料金の削減が期待できます。弊協会では、力率改善による電気料金の削減が見込めるお客さまに対して、これからも積極的に提案してまいります。〔導入経緯〕〔提案内容〕〔導入効果〕力率改善(高圧進相コンデンサ容量の増設)による電気基本料金の削減~養護老人ホームくるみ園さまの省エネの取組み~

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