電気と保安 2018年 春季号 Vol.273 東北電気保安協会
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16図1【高圧ブリッジ形ケーブル事故点測定装置(マーレーループ法事故点探査器)】直流電源部図2測定部今回は、水力発電所(特高66kV)の高圧配電線路における高圧CVケーブル地絡点探査事例をご紹介いたします。 高圧CVケーブル(架橋ポリエチレンビニルシースケーブル、以下「高圧ケーブル」という。)は、高圧受電設備において受電点から構内変電設備へ電気を送るための重要なものです。この事例は、発電所設備の高圧配電線路(6kV)に使用されている高圧ケーブルが地絡し停電事故となり、弊協会の当該地区を担当する事業所に原因箇所の探査依頼があったものの、事業所では事例の少ない探査であるため、総合技術センター職員が現地に同行しました。探査依頼の高圧ケーブルは、山間部に約7km敷設され、一部ルート変更工事のために新設された高圧ケーブルと、既設の高圧ケーブルを直接接続し、既設部においても複数箇所で接続延長されていました。安全に作業が出来る中間の操作盤内で高圧ケーブルを切り分けしていただきき、発電所高圧電気室から操作盤までの高圧ケーブル長5,456m(図1)について探査を行うこととしました。地絡点の探査は、「高圧ブリッジ形ケーブル事故点測定装置(マーレーループ法事故点探査器)」(以下「探査器」という。)にて行いました(図2)。マーレーループ法事故点探査は、ケーブルの健全線の導体と地絡している線の導体間を末端で接続して地絡点へ直流電流を流し、直流ブリッジ平衡回路を構成する方式です(図3)。測定回路の導体抵抗から地絡点が求められ、ケーブル全長を100[%]としたときに地絡点が測定端から何[%]の位置にあるかを表示することができます。高圧ケーブル地絡点探査に関わる技術支援

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