電気と保安 2018年 春季号 Vol.273 東北電気保安協会
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コンセントブレーカーと※5東東誤結線により漏電していたコンセント間違った結線図普段あまり使用することのない動力コンセントをたまたま使ったところ、漏電が発生した事例を紹介します。〔状況〕9月も下旬の午後1時、とある金属製品製造工場のお客さまで、低圧絶縁監視装置の動力回路で漏電警報が発報しました。今月、当該お客さまは警報が数回発報していることから、人数を増やし職員4名で調査に向かうこととしました。出発する前に、電話で連絡責任者の方に動力回路で漏電警報が発報していることをお伝えしましたが、工場内から特に異常や不具合等は発生していないとのことでした。〔調査〕お客さまの工場に到着し、キュービクルの鍵をお借りして漏電探査を開始したところ、動力回路の幹線配電用ブレーカ負荷側で6アンペアもの大きな漏洩電流を確認しました。その後、配電盤から分電盤へと漏電箇所の特定を順次進めていましたが、警報が解消してしまいました。原因特定が難しいことから、お客さまにご協力をお願いし、動力回路のみ停電させていいだき絶縁抵抗測定を行い探査した結果、原因を特定することができました。〔原因〕漏電の原因は、動力コンセントの1箇所において、電源線がアース線の端子に接続された誤結線によるものでした。東日本大震災で浸水し、その後改修して使用していたものです。コンセントに機器(可搬式のドリル)を接続し使用した場合に、アース線に負荷電流が流れ漏電するというものでした。また、このコンセントは、近くに動力コンセントが複数あることから普段あまり使用していないとのことで、今回使って初めて誤結線が判明したことになります。〔復旧〕コンセントの結線を正常に接続替えし、漏電がなく機器が使用できることを確認し、到着してから約1時間30分後に復旧しました。〔お客さまの声〕「このコンセントは普段ほとんど使っていなかったので、今回の件は想定外で驚いている。感電しないで良かった」とのお話をいただきました。〔まとめ〕今回は、普段ほとんど使っていないコンセントの誤結線が原因でしたが、お客さまの停電による原因探査へのご理解や、低圧絶縁監視装置の警報により、感電事故を未然に防止できた事例でした。また、改修工事や点検等を行った場合は、正しく使用できるか必ず確認を行うことと、漏電遮断器の取付けが重要であることを改めて感じた事例でもありました。石巻事業所 阿部 憲孝R相黒S相白T相赤アース白が正しい結線R相S相T相アースたまたま使って初めてわかった誤結線による漏電検査員の現場報告2

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