電気と保安 2018年 春季号 Vol.273 東北電気保安協会
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日2震真っ暗な中に浮かび上がる神秘的なクラゲコーナー久慈地下水族科学館もぐらんぴあの管理棟道を利用することとなったわけです。この2つの施設を総称して「もぐらんぴあ」と名付けられ、平成6年4月22日にオープンしました。地下トンネルにできた水族館は日本初のことです。お聞かせください。 平成23年3月の震災の時は、真っ先にお客さまを避難誘導した後に職員も避難しましたが、施設自体は壊滅的な被害を受けました。ようやく1カ月後に生き残った8種21匹の生物を救出し、八戸市水産科学館マリエントに保護してもらいました。指定管理者だった私たちは契約解除となり、全員失業という形になりました。その時に国から緊急雇用創出事業が創設されることになり、市の方から何か新しい事業を始めればいいのではと勧められました。街の空き店舗を利用するという案が浮上し、かろうじて壊れていなかった水槽を使ってミニ水族館ぐらいならなんとかなるかもしれない、と始めたのが「まちなか水族館」です。その年の8月5日ですから、被災後5カ月目のことでした。久慈地下水族科学館もぐらんぴあ館長宇部 修さま震災を生き延びたアオウミガメの「かめ吉」がいるトンネル水槽今季号のお客さま岩手県久慈市岩手県久慈市に、国家石油備蓄基地の作業坑道を利用して誕生した地下水族科学館もぐらんぴあがあり多くの来場者を迎えていましたが、震災により壊滅的な被害を受けました。しかし、地元の人たち、全国の多くの方々の支援を受けて、平成28年それまで以上の魅力を備えて再開しました。本日は「もぐらんぴあ」宇部 修館長をお訪ねし、弊協会久慈事業所長 中村 正二がお話をうかがいました。東北電気保安協会久慈事業所長(現盛岡事業所長)中村 正二災で被災し、「まちなか水族館」開業─ 東日本大震災の被災と、その後の復興について久慈地下水族科学館 もぐらんぴあ さま本初、地下坑道にある水族館─「もぐらんぴあ」の誕生の経緯を教えてください。 もとはと言えば久慈市に国家石油備蓄基地が誘致されたところから始まります。昭和61年(1986)に立地が決定し、翌年着工されました。国家石油備蓄基地とは日本で3カ所しかない国の事業による施設で、建設の際の作業トンネルはいずれ密封される予定でした。久慈市は、「せっかくの空間がもったいない」と、この坑道跡地の有効利用を願い出たところ、基地側も「地域貢献、地域活性化のためならいいでしょう」との判断で許可が下りることになったそうです。最終的には、地下坑道空間を利用した水族館が誕生することになり、一方、基地側も石油文化ホールとしてもう一つの坑

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