電気と保安 2018年 冬季号 Vol.272 東北電気保安協会
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東東7落雷による過電流の影響により溶断したものと思われます。〔復旧〕変圧器やコンデンサなど他の機器も損傷している可能性があるため、入念に点検・測定を行った結果、他の機器には異常が無いことを確認しました。設備被害は思ったよりも少なく、ヒューズの交換だけで復電できる見通しが立ったことから、事業所に連絡し同じ型のヒューズの予備品がないか確認したところ、ちょうど在庫があったことからすぐに届けてもらい、13時40分に復旧しました。〔お客さまの声〕「保安協会から設備の状況を聞いて、今日中の復旧は無理だとあきらめていたが、協会の予備品を手配してこんなに早く復旧していただきありがとうございます」と感謝のお言葉をいただきました。〔まとめ〕今回のような自然災害により事故出動が集中する事態は、数年に一度発生しますが、私たちはこれまでに培ってきた豊富な経験と、日ごろからの出動体制整備により、非常事態に対応できるように備えております。これからも、早期復旧に向けた非常災害訓練と体制整備に取組んでまいります。雷雨の中、一日中復旧対応に走り回り、電気が点灯した瞬間にお客さまに喜んでいただいた一例を紹介します。〔状況〕7月のある日、秋田県内では梅雨前線が停滞し、早朝から激しい雨と雷により大荒れの天気となりました。当日は休日でしたが、私は悪天候による被害拡大の可能性を心配して、激しい雷雨の中8時10分頃事業所に出社しました。すると同様に考えた職員や、出社要請を受けた職員が事業所に次々に参集し始めていました。9時前頃から、心配したとおりに電気事故受付センターからの出動要請件数が一気に膨れ上がり、出動した職員で手分けをしてお客さま対応に追われるようになりました。そんな中、11時35分に、あるお客さまから事業場全体が停電していると電気事故受付センターに電話連絡がありました。受付内容から高圧設備事故の可能性が高いと判断し、私ともう一人の職員2名で直ちにお客さまへ向かいました。〔調査〕11時50分にお客さまに到着し、担当の方に状況を確認したところ「今朝から何度か停電を繰り返し、そのうち近くでドーン!と激しい落雷の音がした瞬間に全体が停電した」とのお話でした。お話を伺った瞬間「雷の直撃により高圧受電設備機器に甚大な損傷が発生しているのではないか」と最悪の事態が私の頭をよぎりました。激しい雷雨は続いていますが、さっそく同僚と二人で高圧受電設備の点検・調査に入るとまもなく、屋外キュービクル内の「高圧交流負荷開閉器」の電力ヒューズが溶断しているのを発見しました。大館事業所 畠山 武志高圧交流負荷開閉器溶断表示箇所電力ヒューズ(左・右2本溶断)溶断表示箇所ゲリラ雷雨に見舞われた検査員の1日〔原因〕検査員の現場報告2

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