電気と保安 2018年 冬季号 Vol.272 東北電気保安協会
18/24

1 はじめに2 波及事故防止対策のポイント16波及事故とは、工場・ビルの電気設備の故障・損傷等の電気事故により、電力会社の変電所の継電器を動作させ、配電線から供給されているすべてのお客さま(工場、病院、銀行、一般家庭など)が停電となる事故をいいます。(図1)波及事故が発生すると自らが損失を被ることはもちろん、配電線を停電させると社会的に大きな影響をもたらしかねません。高圧自家用電気工作物の設置者の方は、波及事故防止に努める必要があります。・自家用電気設備の構内で発生した電気事故を構内だけにとどめるため、必ず責任分界点(構内第1柱)には地絡継電器付高圧交流気中開閉器を取付けましょう。・古い設備においては劣化により事故発生時に正常に動作せず、波及事故に至るおそれがあります。使用状況や設置環境により劣化の状況は変化しますが、機器の計画的な取替えをお奨めします。●雷害対策・雷による被害を防止・軽減するための機器として避雷器の取付が有効です。さらに避雷器の効果を維持するためには接地抵抗の低減や定期的な取替えも必要です。●小動物侵入対策・電気室やキュービクルの穴や隙間からネズミやヘビなどの小動物が侵入し、充電部に触れることで事故が発生することがあります。穴や隙間を見つけたときは、弊協会にご連絡をお願いいたします。配電線【参考】主な機器の更新をお奨めする目安更新推奨期間変電所の継電器が動作して、配電線が停電だ!に関する調査」より抜粋(※を除く)・高圧交流負荷開閉器には区分開閉器を含む機種高圧交流負荷開閉器屋内用  15年 または負荷電流開閉回数 200回屋外用  10年 または負荷電流開閉回数 200回GR付開閉器の制御装置 10年手動操作 20年 または操作回数  1,000回断路器動力操作 20年 または操作回数 10,000回     15年避雷器     20年 または規定開閉回数交流遮断器     15年計器用変成器保護継電器     15年高圧配電用変圧器     20年高圧進相コンデンサー     15年高圧限流ヒューズ屋内用  15年屋外用  10年高圧CVケーブル※     25年・ 一般社団法人「日本電機工業会」発行の「汎用高圧機器の更新推奨時期図1キュービクルの扉を開ける時は、弊協会等の電気主任技術者に必ず連絡をお願いいたします。①保守不備対策②自然災害・鳥獣対策波及事故を防止しましょう!キュービクル内の高圧機器の銘板を確認中に感電負傷事故が発生しています。

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る