電気と保安 2018年 冬季号 Vol.272 東北電気保安協会
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7H288H27高圧事故件数[件]13高圧事故とは、高圧機器のトラブルでお客さま設備が全停電事故となったものをいい、図2のとおり年間約1,000件発生しています。お客さまからの緊急連絡で出動した結果、「全停電」であったのは平成28年度で883件であり(図1)、これに監視装置の警報や東北電力(株)からの連絡など、実際に現地に出向いたら高圧事故であったというもの(951件)と、波及事故(7件)を加えると958件となります。これは、弊協会の全てのお客さま軒数の1.76%となります。お客さま設備の高圧事故が、どの程度の発生頻度なのかをイメージしていただくため、図3に自動車による交通事故と比較してみました。その結果は、高圧事故の方が約3倍も高い発生割合となっています。高圧事故が一旦発生するとその復旧作業は難しく、高圧機器が破損などしていると復旧に数日を要することもあります。受電設備の中で、高圧気中開閉器、引込線、高圧ケーブル等の引込施設は、状況によって波及事故につながるおそれがあります。引込施設は、引込柱などの屋外に設置されているもので、季節、気候などの影響を直接受けることになります。図4に引込施設の事故発生部位の割合を示します。この中では、“高圧気中開閉器”が22%、“地絡継電器”が20%と全体の42%を占めています。高圧気中開閉器(写真1)及び地絡継電器(写真2)は、高圧回路の漏電事故発生時に連動して自動的に電気を止め、周囲のお客さまへの停電拡散を防止するものです。しかしこれらの機器は、長期の使用により電子部品が劣化して故障を起こしたり、落雷時には、異常電圧により電子部品が壊れることがあります。22%20%高圧電気設備の事故(平成28年度)自動車による交通事故(平成28年)1,6001,4001,2001,000800600400200[%]2.01.51.00.50.001,2041,3329269149671,11321H1917H2020H2130H2219H23年度1.76高圧電気設備の事故(平成28年度)その他17%高圧気中開閉器ケーブル等支持物6%引込線14%年間事故数958 499,201波及事故波及以外の高圧事故1,09899290595114H2419H2525H260.6自動車による交通事故(平成28年)地絡継電器母集団54,223軒(お客さま軒数)8,220万件(運転免許保有者数)図3 高圧電気設備の事故と自動車事故の発生割合※電気事故(緊急対応)の内、高圧事故の部位別割合(平成28年度)図2 高圧事故の推移図4 引込施設の事故発生部位比較21%(出典:平成28年警察白書)2 高圧事故3 引込施設の高圧事故

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