電気と保安 2017年 秋季号 Vol.271 東北電気保安協会
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負荷遮断時の波形測定例使用前自己確認の試験状況いと認められるものについては記録により確認できるものとする。PCSが複数台あるため、各PCSの出力を調整し、各負荷運転状態から、区分開閉器又は遮断器等によって、発電側と系統(電力配電線)側を遮断しました。その際、発電所(各PCS)が安全に停止することと、過渡変化する電圧値と安定するまでの時間が制限値内であるかを確認しました。負荷調整は、PCSの出力制御機能によって実施し、負荷遮断においては、構内第1柱区分開閉器の開放によって行い、変電設備の高圧受電盤において、計器用変成器(VT)二次側電圧の過渡変化を測定器(メモリーハイコーダ)に記録し、波形を解析して停止時間と、1サイクル(20ms)分の波形(瞬時値)から演算した電圧実効値によって電圧上昇に異常の無いことを確認しました。なお、負荷遮断試験においてPCS本体で出力調整ができない場合は、接続箱及び集電箱の開閉器操作によって太陽電池モジュールを調整する必要があります。発電設備を可能な限り定格出力、定格電圧及び定格力率に保持して機器各部の温度上昇が飽和状態になるまで連続運転し、逆変換装置、変圧器等の異常な温度上昇、異常振動、異音等の有無及び高調波(電圧歪率)を測定機器、警報の有無及び所内巡視等の方法により確認する。各PCSを当日可能な最大発電状態で一定時間連続運転し、温度測定と高調波測定を行いました。高調波測定(総合電圧歪率)については、変電設備の高圧受電盤において、計器用変圧器(VT)二次側電圧と計器用変流器(CT)二次側電流を測定器(電源品質アナライザ)に取込み、高調波含有率とその時の発電出力を測定しました。温度測定については、放射温度計とサーモカメラを用い、連続運転前後の各測定箇所の温度測定と異常箇所の有無を確認しました。今回、受託したお客さまの使用前自己確認は異常なく無事終了し、営業運転を開始されました。総合技術センターでは、事業所単独で実施が困難な試験業務等の技術支援を行っております。また、太陽光発電設備の点検・診断に係る最新技術の検証なども進めており、太陽光発電設備を含め電気設備に関することでお困りのことがありましたら、お近くの弊協会事業所又はホームページにお問い合わせください。7④負荷試験(出力試験)b 実施内容a 試験の方法b 実施内容

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