電気と保安 2017年 冬季号 Vol.268 東北電気保安協会
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東東扉に挟まり被覆が損傷していた箇所(※漏電した延長コードと同型のコード)病院建設現場のお客さまからの漏電警報による出動事例を紹介します。暑い日が続く8月の夕方のことです。病院建設現場のお客さまから、電気設備の漏洩電流を監視する低圧絶縁監視装置からの漏電警報があり出動しました。お客さまに向かう途中、建設現場のため作業工具が漏電しているのではないか、と考えながら現地に向かいました。お客さまに到着して、直ちに連絡責任者の方に問診を行いました。連絡責任者の方からは、「建設現場の使用機器は週に一度点検を行っており、問題ないと思います。」とのお話がありました。停電していないため、どこで漏電しているのか分からず不安そうでした。漏電探査の手順のとおりキュービクルから調査を開始したところ、電灯の分電盤から3階に送っている回路に原因があると判明しました。さらに、3階の分電盤で探査をした結果、コンセント回路で漏電が発生していることを確認しました。このコンセント回路には、蛍光灯型照明も接続されていたことから、従業員の方に照明回路が漏電している可能性があることを告げ、蛍光灯型照明器具の取外しを行いました。しかし、漏電状態は継続したままです。まさかと思い、分電盤のコンセントに差し込まれていた延長コードを引き抜いたところ、漏電状態が復旧しました。延長コードを確認したところ、工事現場で使用している延長コードのため、ドアに挟まったり片付ける際に巻いたりと酷使されていることから、コード配線の被覆の損傷により漏電に至ったものと判明しました。「使用器具の点検は毎週行っているので、故障の心配はないものと思っていました。しかし、今回延長コードからの漏電ということで、大変驚きました。危ないと思うような延長コードは、点検して交換するようにします。今回の漏電が、従業員の感電事故に繋がらずにすみ安心しました。」と感謝の言葉をいただきました。今回の事故事例は、延長コードの漏電であり、従業員の方々が感電する危険性もありました。幸いにも、低圧絶縁監視装置からの漏電警報により早期に改修できたことから、事故防止にも繋がったものです。使用する機会が多い延長コードは、作業機器と同じように点検確認をすることが大切だと実感しました。7田島事業所 遠藤 稔〔状況〕〔調査〕〔原因〕延長コードからの漏電!? ~使用前点検の大切さを実感~〔お客さまの声〕〔まとめ〕検査員の現場報告2

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