電気と保安 2017年 冬季号 Vol.268 東北電気保安協会
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徹底した品質管理を行い、一日約370アイテムの商品を製造する運輸安全マネジメントに取組み、全社一丸となって輸送の安全性向上に努めている石岡:なるほど、地域貢献としても意義のある、すばらしい企画です。たけや製パンさんのパンづくりとは、どんな特徴がありますか。武藤:いま、いくつかの戦略を立てて取組んでいることがあります。昔から売られているメロンパン、あんパン、クリームパンなど王道の商品について、素材まで吟味したいちだんと味わい深いパンを作ること。それから地産地消ということで、地元秋田の原料を使ったものを広げていきたい。さらに季節感を出すこと、秋には秋の味覚のパン、春には春のパンを作ることに力を入れる。そしてもうひとつ重要なテーマが健康志向です。より健康にいいパンを求めるお客さまが増えているので、いま糖質制限パンというのを開発しています。糖質制限パンというのは、小麦の「ふすま」という外皮の粉から作ります。また、パンを膨らませる原料をイーストフードと言って普通のパンには全部入っています。それを入れない健康パンを作るとなると、味付けや食感のコントロールが非常に難しく、大事な研究開発テーマになっています。石岡:そういう商品開発、研究開発の努力もしっかりされているんですね。そうすると品質と価格設定という、また難しい課題が出てくるのではないでしょうか。武藤:お客さまは少しでも安いもの、当然おいしくて・質がよくて・安いものがほしい、という傾向にありますので、当社も付加価値のある高いものを出したいのですが、なかなかそうはいかないです。少ない品種で1種類を大量に出せれば効率がよく利益は出るでしょうが、当社のパンは効率主義では作れません。その価値もお客さまへのサービスと思っています。原料を混ぜる機械なども種別ごとに清掃がきれいにいかないと、別のものが混じってしまうので徹底的にきれいにする。主力商品については、毎日無差別にチェックします。1か月ぐらい記録して課題に対する対策を練ります。サイズ、重量はもちろん色も全部点検します。石岡:食べ物だから品質にはほんとうに気を遣われていると思います。今後の展望としては、秋田県内のパンの市場に対して何か計画していることなどはありますか。武藤:当社は、やみくもに販路を広げようという考4これからの新しいパンづくり効率主義では作れないもの

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