電気と保安 2016年 夏季号 Vol.266 東北電気保安協会
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平成21年厚生労働大臣表彰「技能検定制度推進に対する協力の功績」岩手県「いわて子育てにやさしい企業等」認証4らって、これなら自分でもできると思って、すぐにイギリスに飛んだんです。特許を持つその会社では「まさか日本の中小企業が直接来てくれるとは夢にも思わなかった」と歓迎してくれて、直接ライセンス契約に成功しました。山下:今のお話から、ものづくり企業としてのスピリットや情熱を感じることができましたが、社員教育という面で大切にされていること、また福利厚生という点で気を遣われていることをお聞かせください。千田:いつも言っているのは「会社というのは一人ひとりの社員をいつまでも守るわけじゃない。会社がつぶれても自分自身が自立できるような技術や技能を毎日の仕事の中で身につけろ」ということです。それが、最初のサラリーマンの時から学んで、独立したときの考え方なんです。だから社員の人たちには技術を研鑽して、組織の中で力を合わせ挑戦し続ける人は残ってもいいけれど、自分でもしっかりできるという確信を持ったならば、外に出て自分で事業をやってみることも大切だよと、独立を勧めています。これは逆に言うと、管理職になって守りに入ったりすることがないよう、会社が守りに入らないように、という対策でもあります。現場の指導方針としては、1年生に対して2年生が教えるというやり方です。後輩が入ってくると面白いですよ。格好いいところを見せたいんです。自分ができなかったことでも教えながらやると自分ができるようになります。競争心が出てきて、みんな伸びていきます。福利厚生としては、技能検定をどんどん受けてもらい自分の技術に合った仕事ができるようになれば、それを山下:会社を拝見して、非常に大規模な設備の中で少数精鋭の技術者の方たちが働いているという印象を受けました。技術者の方たちの役割についてどのようにお考えですか。千田:当社は技術者集団であり、共同受注企業体と言っています。本来は自分で独立してもいいような人たちが、一人では付加価値の高い仕事に対応するのは難しいので、お互いの技術を出し合って共同受注をしているのが千田精密工業なんです。一人が一品一品、いかに付評価して技能手当を、資格をとれば資格給を支給しています。女性は結婚しても仕事を続けています。産休も全部とってもらっています。定年65才も、当社はもう何年も前から実施しています。いつでも自立できる技術を身に付ける付加価値の高い仕事に挑戦する技術者たち

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