電気と保安 2016年 夏季号 Vol.266 東北電気保安協会
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あきた総合支援エリアかがやきの丘さま1「あきた総合支援エリアかがやきの丘」さまは、3つの特別支援学校(視覚支援学校、聴覚支援学校、秋田きらり支援学校)と県立医療療育センターが連携して、幼児、児童、生徒を支援するための地域拠点として平成22年4月秋田市に開設されました。お客さまでは、自主的な省エネの取組みとして、照明の間引き、適宜消灯などを実施していました。その効果を検証するため、弊協会にご依頼があり、お客さまからの電気の使用状況の聞き取りと、館内のエネルギー使用機器の設置状況の確認、使用状況の調査など「省エネルギー診断」を実施させていただきました。〔結果〕省エネルギー診断の結果から、複数台ある受電用変圧器の一部を取外しても施設の運用に支障がないことが確認できたことから、電灯用200kVAの変圧器と動力用300kVAの変圧器を電路から取外すことをご提案いたしました。お客さまは、変圧器の取外しは、高圧側配線の切り離しと、低圧側母線の切り替えといった比較的簡易な工事で投資額が少ないことから、早速工事を行うことをご判断されました。その結果、試算では、使用電力量で約6,740kWh/年、金額にすると約105千円/年の削減が期待できます。また、合わせてCO2排出量も削減することができます。(別表1参照)別表1 削減効果の試算取り外した変圧器の容量別表2 変圧器損失の特徴について変圧器の損失無負荷損鉄心磁束を流すことにより発生電源が投入されている負荷の有無に関係なく常時一定量の損失を発生する。負 荷 損巻線電流を流すことにより発生負荷の大きさにより損失は変化する。一般に負荷の2乗に比例する。お客さまからは「減設に伴い、契約電力を下げる手続きをしていただいて助かりました」とのお話をいただきました。今回の省エネルギー対策導入のきっかけは、省エネルギー診断による設備調査でした。省エネルギーへの取組みは、エネルギーの使用状況を正確に把握することから始まります。弊協会では、お客さま設備の「省エネルギー診断」を実施しております。検査員またはお近くの事業所にお気軽にご用命ください。秋田事業所※無負荷損データは、一般財団法人省エネルギーセンター発行「省エネルギー手帳」を参照。電気料金試算は、東北電力株式会社「業務用電力」単価による。(kVA)20030036403020100無負荷損(千kWh/年)29台数11種類電灯用動力用発生部と原因無負荷損電気料金(kWh/年)(千円/年)6,740105変更前2017CO2排出量(t-CO2/年)変更後減設前の変圧器容量(kVA)2,850特 徴減設後の変圧器容量 (kVA)2,350参考 減設前後の変圧器容量〔調査〕〔まとめ〕変圧器の台数集約により電気料金の削減に成功!~「あきた総合支援エリアかがやきの丘」さまの省エネ事例のご紹介~

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