電気と保安 2016年 春季号 Vol.265 東北電気保安協会
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電源③4東東被覆が損傷した箇所漏電ブレーカー⎭⎬⎫分電盤車庫車庫漏電箇所口を切離して測定①、②は良好、③のケーブル配線の被覆が損傷①シャター②看板照明故障対応時にお客さまのご協力を得られたことで早期に復旧できた事例を紹介します。〔状況〕雪がしんしんと降り積もる冬の午後2時頃、とあるホテルから「漏電ブレーカーが今日になってから3回ほど動作して営業に支障をきたしている。すぐに対応して欲しい。」との連絡がありました。現場で待ちわびていた連絡責任者の方と合流し、一緒に分電盤を確認しましたがその時はブレーカーは入っている状態でした。〔調査〕停電の了解を得て絶縁抵抗を測定した結果、「車庫」の抵抗値が低下していることが判明。使用状況を確認したところ、シャッターと看板照明へ配線されていることがわかりました。ところが、シャッターと看板照明をそれぞれ測定しても抵抗値には異常がありません。そこで、そこに至るケーブルに原因があるのではと思い、車庫内部の配線を確認することにしました。すると、ケーブルが鉄骨フレームの上に添って配線されていたのですが、積もった雪の重みで屋根が歪んで下がり、その間に挟まっていたのです。〔原因〕「ここだ!」と思い、ケーブルを引抜こうとしましたがガッチリとはさまれた状態でびくともしません。そこで、お客さまにもお手伝いいただきながら1m以上積もった雪下ろしを30分ほどかかって完了。そして屋根も元に戻り、難なくケーブルを引抜くことが出来ました。そして予想通り挟まれていた部分の被覆が損傷し、漏電していたことが分りました。損傷個所をビニルテープで補修したうえで、再び屋根が歪んでもケーブルがはさまれることの無いように処置をして仮復旧。やっとブレーカーが動作する心配も無くなり、雪下ろしの疲れも一気に吹き飛んでいきました。この時点で夕方の4時で、お客さまの手伝いが無ければもっと時間がかかったと思います。 後日、損傷したケーブルは新品と交換し、配線ルートも変更していただきました。〔お客さまの声〕「屋根に積もった雪の重みで漏電ブレーカーが動作するなんて夢にも思いませんでした。何度も動作して、利用者の方にご迷惑をおかけしましたが、原因がわかってひと安心です。これからも電気設備の点検をよろしくお願いします。」とのお言葉をいただきました。〔まとめ〕秋田県の内陸南部に位置する横手地域は、東北でも有数の豪雪地帯です。今回の出来事で日常の点検も雪の影響を考慮することが必要と感じました。また、お客さまのご協力をいただいたことで、早期の復旧ができたことに感謝したいと思います。横手事業所 斉藤 公博お客さまと連携して故障対応 ~早期の復旧ができました~〔復旧〕検査員の現場報告1

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