電気と保安 2016年 春季号 Vol.265 東北電気保安協会
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友2何プロムナードの先に見る美しい土門拳記念館公益財団法人土門拳記念館総務主査兼総務係長大竹 佳代子さま土門拳「室生寺弥勒堂釈迦如来坐像左半面相」1966年撮影今季号のお客さま─ 土門拳記念館は日本初の写真美術館と聞いていますが、どのような経緯でできたのでしょうか。 明治42年に酒田市で生まれた土門拳は、6歳まで酒田で暮らした後、東京に移り住み、写真家として活躍。昭和49年に酒田市の名誉市民第1号に選ばれたことがきっかけで、作品を全て市に寄贈しました。日本を代表する写真家の作品をきちんと展示し、いろいろな人に見てもらえるようにしよう。──当時既に整備計画が上がっていた飯森山公園の中核施設として、記念館の建設が始まったのです。 設計を担当した谷口吉生氏は、飯森山一体の美しい自然環境といかに協調させるかを重視したそうです。土門と縁の深い彫刻家「イサム・ノグチ」やグラフィックデザイナー「亀倉雄策」、華道家「勅使河原宏」らと協力し、芸術的な趣のある建築造形美を生み出すことに成功し、建物は谷口の代表作と謳うたわれるほどになりました。建築に携わったすべての人たちは、「土門の命のあるうちにぜひ良いものをつくろう※」と努力したそうです。 完成した建物は池の向こう側に鳥海山を望む絶好のロケーション。新緑の時期の美しさは格別で、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも2つ星に選ばれています。いることはありますか。 記念館には、土門の全作品およそ7万点の、ガラスの原板やフィルムが所蔵されています。これらを展示するためには原板を基にプリントしなければなりません。現在は約5〜6,000点の作品が展示用にプリントされていますが、全てを一度に展示することはできないため、展示スペースとして「主要展示室」「企画展示室Ⅰ」「企画展示室Ⅱ」の3か所を使用し、3か月に1度の展示替えを行うことで、お客さまに様々な作品を見ていただけるよう工夫しています。テーマ設定や作品のセレクトには土門の弟子だった方にもご指導いただき、お客さまが、何度来ても新たな発見に出会えるように心がけています。 見終わった後で「また来たい」と思っていただけることが一番ですね。「土門拳記念館」さまは日本で最初の写真専門美術館として、昭和58年に開館しました。酒田市が誇る、日本を代表する写真家土門拳の作品約7万点を収蔵し、今なお多くの全国のファンや市民に親しまれています。本日は、公益財団法人土門拳記念館(館長 池田真魚さま 土門拳氏長女)の総務主査の大竹佳代子さまをお訪ねし、弊協会酒田事業所長高橋弘がお話をうかがいました。東北電気保安協会酒田事業所長高橋 弘山形県酒田市 土門拳記念館 さま情が生んだ記念館度でも、来てもらえるように─ 作品を展示するうえで工夫していることや心がけて

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