電気と保安 2016年 春季号 Vol.265 東北電気保安協会
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1 はじめに2 波及事故防止対策のポイント図1配電線15波及事故とは、工場・ビルの電気設備の故障・損傷等の電気事故により、電力会社の変電所の継電器を動作させ、配電線から供給されているすべてのお客さま(工場、病院、銀行、一般家庭など)が停電となる事故をいいます。(図1)波及事故が発生すると自らが損失を被ることはもちろん、配電線を停電させると社会的に大きな影響をもたらしかねません。高圧自家用電気工作物の設置者の方は、波及事故防止に努める必要があります。●高圧気中開閉器及び地絡継電器の点検・取替【更新推奨期間:10年(屋外用)】 ・自家用電気設備の構内で発生した電気事故は、自社だけにとどめ、電力会社や他社まで停電させないように、必ず地絡継電器付高圧気中開閉器を取付けましょう。 ・高圧気中開閉器が老朽化している場合や地絡継電器が動作しない場合は、早急に交換しましょう。●高圧ケーブルの点検・取替【更新推奨期間:25年】 ・古い高圧ケーブルは、自然劣化による地絡事故を防止するために交換しましょう。●雷害対策【更新推奨期間:15年】 ・雷による機器類の損傷を防止・軽減するため、責任分界点の近くに避雷器を取付けましょう。 ・避雷器の接地抵抗値が過大になっている場合は、10オーム以下に改修しましょう。 ・老朽化している避雷器は、高圧気中開閉器と一緒に交換しましょう。●構内掘削工事等によるケーブル損傷 ・構内掘削工事で誤ってケーブルを損傷するおそれがあります。工事の計画段階から、弊協会にご連絡をお願いします。●小動物対策 ・受電設備の穴や隙間から、ネズミやヘビなどの小動物が侵入して高圧充電部に触れ、事故が発生することがあります。穴や隙間はシール材などで塞ぎましょう。変電所の継電器が動作して、配電線が停電だ!①保守不備対策②自然災害対策③故意・過失対策④鳥獣接触対策波及事故を防止しましょう!

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