電気と保安 2016年 冬季号 Vol.264 東北電気保安協会
17/24

※省エネ事例は、一般財団法人省エネルギーセンターホームページ「省エネ・診断ポータルサイト shindan-net.jp」より引用スチームトラップの例15パージ損失の低減 ボイラは運転前後に「パージ」とよばれる炉内の未燃焼ガスを排出して、爆発を防ぐための換気を行ないます。点火前に行うものをプレパージ、燃焼停止後に行うものをポストパージといいます。この時、常温の空気が炉内の温度を奪うため損失が発生し、これをパージ損失といいます。このパージ損失はボイラの起動、停止回数に比例し多くなるため、負荷の平準化を行ない、ボイラの頻繁な起動、停止を防ぐことが重要です。 省エネ事例3  クリーニング業 ボイラ2台使用時に負荷率30%台の時があり、運転、停止を繰返していたが、負荷          率の低いときは1台運転に変更          ・省エネ効果:101千円/年エコノマイザによる給水の加熱 ボイラ損失のうち最も大きいものが排ガスが持ち去る熱です。その排熱でボイラへの給水を加熱することにより燃料の削減を図ることができます。最近の貫流ボイラではこの役目となるエコノマイザが標準装備となっている場合が多くなっています。 省エネ事例4  畜産食料品製造業 ボイラの排熱が250℃と高温のためエコノマイザを設置し160℃まで熱回収を行う。           ・省エネ効果:662千円/年 ・投資金額:1,500千円(回収2.3年)スチームトラップの点検(蒸気ボイラ) スチームトラップは、蒸気配管や蒸気使用機器に溜まった“ドレン”による障害を防ぐために取付けられています。スチームトラップが故障すると「吹き放し」や「蒸気漏れ」が発生し未利用の蒸気が外に漏れムダな燃料が消費されることになります。定期的な点検・交換による予防保全が重要です。 省エネ事例5  機械器具製造業 故障スチームトラップ9台を交換          ・省エネ効果:585千円          ・投資金額:700千円(回収1.2年)蒸気圧力の見直し(蒸気ボイラ) 蒸気圧力は使用する直近の場所で、使用する圧力まで下げて供給している場合があります。ボイラから供給する蒸気圧力が低いほど燃料の使用を抑えることができます。蒸気供給経路を見直して、蒸気圧力が適正か確認しましょう。また、蒸気圧力を低下させることにより供給経路からの放熱量の低減も期待できます。 省エネ事例6  食品製造業 蒸気圧力0.75MPaから0.2MPa低減し0.55MPaに変更        ・省エネ効果:201千円/年 運転状況や蒸気供給経路の再確認により、ムダな燃料の削減とCO2の削減に努めましょう。 省エネルギーに関することは、支部事業本部エコパートナー、お近くの事業所又は担当検査員にお問い合わせください。

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る