電気と保安 2016年 冬季号 Vol.264 東北電気保安協会
10/24

新たに設置したタイマーとスイッチ※1 弊協会試算「湯の花茶屋新左衛門の湯」さま8「湯の花茶屋新左衛門の湯」さまは、山形市蔵王温泉の温泉街にある日帰り温泉施設として、地元の方々に親しまれています。今回は冬季に使用するヒーターの省エネについて紹介いたします。お客さまは以前から弊協会のデマンド監視装置を取付けて最大電力の抑制と電力使用量を削減されており、また、最近では店内の照明をLED化するなど省エネに積極的に取組まれています。このお客さまのデマンド監視装置のデータを分析したところ、冬季の電力使用量が夏季と比較して随分多いことに気付きました。稼働負荷を調査した結果、建物の軒下に“つらら”防止のためのヒーターが取付けられていることが判明しました。この場所は標高が高く、真冬は日中でも最高気温が氷点下の時もあり、そのままにしておくと“つらら”が1m以上にもなることから、来客される方の安全のために取付けられていたものです。その運転状況を確認すると24時間通電されていることがわかったのです。そこで、ヒーター回路にタイマーとスイッチを設置して動作時間を制御することをお客さまへ提案しました。今回の場合は初期投資を抑えるため、タイマーで“入”、“切”を繰返す簡単なものとし、動作時間はお客さまと相談して5分通電、5分停止として様子をみることにしました。また、投資回収にかかる期間は試算の結果、約2か月とそのシーズンのうちに回収できる見込みとわかりました。工事を終え実際に運用したところ、その日の天候や気温に左右されるおそれもありましたが“つらら”が出来ることはなく順調に推移し、その結果1年で約8,600kWh、金額にすると基本料金も含めて198千円の削減※1に成功しました。その後、月次点検にお伺いした時に一部でヒーターの効果が低下したとお客さまから相談を受けたことから、30分運転、15分停止に変更して現在に至っています。お客さまからは「省エネの提案をしていただきありがとうございました。気付かないところにムダがあるものですね。電気料金が安くなって助かりました。」とお喜びの声をいただきました。山形事業所つらら防止ヒーターの動作時間見直しにより経費を節減「湯の花茶屋新左衛門の湯」さまのご紹介

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る