電気と保安 2015年 秋季号 Vol.263 東北電気保安協会
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6 雷サージなどによる過電圧が電気工作物に印加されても、絶縁破壊や絶縁物が損傷しないことを検証する目的で行われます。試験条件は、各規格により試験電圧(波高値)、極性(正・負極性)、波形(試験電圧の波形)及び試験回路毎の試験回数等が細かく規定されています。 実際の試験では、温度、湿度及び気圧の条件により絶縁物の性能が変化するため、標準大気状態(温度20℃、気圧1,013hPa、相対湿度約63.6%)に補正した試験電圧に調整する必要があります。 試験時に絶縁破壊が発生した場合は、その原因究明や再試験のための部品交換が必要となります。また、電気工作物の仕様変更を提案し、後日再試験となった事例もあります。 弊協会で所有している「インパルス試験装置」は、100kV(10万V)までの雷インパルス試験が可能で、これまで試験電圧が5kVの低圧分電盤から、60kVの高圧キュービクルの試験などに使用しています。雷インパルス試験の写真雷インパルス試験イメージ図規格の雷インパルス試験電圧を加えて、絶縁破壊しないことを検証する。インパルス試験装置被試験物:高圧キュービクル等雷インパルス試験及び温度上昇(ヒートラン)試験について 近年、弊協会に低圧分電盤や高圧キュービクル等(以下「電気工作物」という。)が日本工業規格(JIS)、電気学会規格(JEC)、日本電機工業会規格(JEM)等が要求する「構造や性能」を満足しているかを検証するための、お問い合わせや試験依頼が増えています。 総合技術センターは、その試験依頼などに応え、各規格に規定されている「雷インパルス試験」及び「温度上昇(ヒートラン)試験」を行っています。今回は、各試験の内容について紹介いたします。雷インパルス試験

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