電気と保安 2015年 秋季号 Vol.263 東北電気保安協会

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※１　（一財）省エネルギーセンター「病院の省エネルギーポイント」より※２　弊協会試算国民健康保険大畑診療所さま故障が判明したエコキュート1「国民健康保険大畑診療所」さまは、むつ市大畑町にあり青森県下北地区の医療を管轄する一部事務組合下北医療センターの一つとして重要な役割を担っています。お客さまから電気料金が高いので安くする方法は無いかとご相談があり、最初は電気の見える化としてデマンド監視装置の取付けを提案しました。しかし、お客さまからは、全体の使用量のうち空調回路などの各回路の使用比率を知りたいとのお話がありました。そこで今回はキュービクルの幹線に計測器を取付け、負荷電流や最大電力などを測定する事で見積書を提出し、受託しました。お客さまの建物は鉄筋コンクリート造３階建で、２階にはむつ市介護老人保健施設が入居していますので、全部で18回路の測定が必要となりました。計測器は他の事業所にあるものを借用して４台準備し、約１か月かけて測定してその結果を報告書として提出しました。使用状況を分析した結果、空調の使用比率が３割弱と一番大きいことなどがわかりました。（病院の空調熱源の平均は32%※1）しかしこの調査によって意外な発見がありました。屋外に設置されている「エコキュート」が、24時間通電しているのではないかということです。このエコキュートは割安な深夜の時間帯に通電してお湯を沸かすもので、通常であれば日中は通電しないものです。（使用状況や設定状態により異なります。）本体の故障が疑われたことから、お客さまから専門業者に点検を依頼していただいた結果、やはり常時通電していることが判明したのです。その後無事に修理が終わり正常な運転となりました。これにより一か月で約6.5千kWh、金額にすると約104※2千円が削減できたことになります。今回は本来の目的外でしたが、思わぬムダを発見することができました。また、個別に測定すると、各回路の使用量やデマンド値、使用比率などもわかりますので、詳細な分析が可能となり、ムダの洗い出しが行えます。見えない電気を「見える化」することが省エネへの近道です。電気使用量の個別測定につきましては、お近くの事業所又は検査員にお問い合わせください。むつ事業所省エネ相談測定分析及び対応まとめエコキュートが常時通電状態になっていた？国民健康保険大畑診療所さまのご紹介