電気と保安 2015年 秋季号 Vol.263 東北電気保安協会
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1蒸気使用機器の省エネ8今回は蒸気使用機器で使用されるスチームトラップについて紹介します。1 蒸気の特徴蒸気は、食品工場や製造工場、病院など多くの施設で、加熱や乾燥、滅菌などに使用され、電気と共になくてはならないエネルギーの一つになっています。蒸気が広く利用される理由としては、①安定した温度で均一に加熱できる②加熱速度が速い③再利用ができるなどが挙げられます。蒸気を造るボイラは近年、操作が容易で取扱い資格が緩和されている貫流ボイラ(図1)が主流となっています。①使用機器の効率低下②加熱ムラ③ウォーターハンマー※1の発生④配管の腐食⑤ドレンアタック※2(エロージョン)などを引き起こします。ウォーターハンマー、ドレンアタックによりバルブ、配管の曲部や出口部などが破損するおそれがあります。そのため、ドレンは速やかに排出する必要があります。プです。スチームトラップの機能として大事な要素は、①ドレンを迅速に自動的に排出する。②蒸気を逃がさない。③空気等の不凝縮ガスを自動的に排出する。などです。蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気ドレン※1 ウォーターハンマー(水撃作用)とは:蒸気配管内に滞留していたドレンが蒸気の流れによって塊となり、高速で配管内を移動し曲部やバルブなどに衝突する現象。「カンカン」という金属音や「ドーン」という衝撃音と振動を発生することがある。※2 ドレンアタックとは:蒸気配管内の水滴が衝突する現象。図1 貫流ボイラの例図2 蒸気がドレン化するイメージ図蒸気の熱が放出される2 ドレンとは蒸気は水が暖められて気体になったものですが、熱を放出し役割を終えると凝縮してドレン(凝縮水)になります。蒸気配管や蒸気使用機器にはドレンが発生します。溜まったドレンは、3 スチームトラップ蒸気配管や蒸気使用機器に溜まったドレンによる障害を防ぐため、ドレンを排出する装置がスチームトラッ

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