電気と保安 2015年 夏季号 Vol.262 東北電気保安協会
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東東グラウンド照明操作盤内のブレーカーの状況黒く焼けています7広大な敷地の運動公園で発生した雷による故障を、検査員の力を合せて当日中に復旧した事例を紹介します。〔状況〕前日から激しい雷雨が続いていた12月の朝5時頃、警備会社から停電の連絡を受け、公園に向かう途中のお客さまから「事務所が停電しているそうです。私もこれから行きますので向かっていただきたいのですが。」と夜間受付当番に電話がありました。受付当番からその連絡を受けた私は、すぐに布団から飛び出し、現場に到着しました。その後お客さまと合流し受電キュービクルへ向かいました。キュービクルの扉を開けたとたん、焦げたような臭いと黒く煤けた低圧開閉器など、ひと目で「雷」によるものと判断しました。〔応援の要請〕電気設備は、広大な敷地内の15か所に点在しており、一人で被害状況を確認することは困難と考え、すぐ事業所へ応援を要請し検査員5名がそれぞれの予定を変更し集合。どうにかお昼前には全体の状況を把握できました。(総勢6名で約3時間)〔主な被害の状況〕1 高圧気中開閉器、避雷器及び保護装置の損傷2 受電キュービクル内の計器類及び低圧ブレーカーの損傷3 グラウンド照明操作盤内の低圧ブレーカーの損傷など、被害は大変甚大なものでした。お客さまに報告すると、困った様子で「そんなに多くの被害があったんですか?何とか今日中に復旧していただくわけにはいきませんか。」と強く要請されました。〔復旧〕高圧気中開閉器は、通常手配から入荷まで日数を要するものですが、弊協会では「緊急対応用」として拠点事業所に予め配備している場合があります。今回はそれがたまたま近隣の事業所に有り、容量等も合致したことから使う事にし、取替工事を行う電気工事店の手配などを進めました。また分電盤内の計器類や低圧開閉器は、使用していない回路のものと交換するなどの仮復旧で対応することにしました。雨が降る悪天候のなか、広い敷地を駆け回り、停電から13時間後の夕方6時頃には無事受電。連絡責任者の待つ事務所に灯りが点りました。〔お客さまの声〕「被害状況の報告を受けたときには、どうにもならないのでは、と思いました。本当に今日中に復電していただけるとは。寒空の中ありがとうございました。」と何度も礼を言われ、期待に応えることができたとホッとしました。〔受電設備保証保険の適用〕弊協会では、お客さまの受電設備に自然災害等で被害にあった時のために「受電設備保証保険」に加入しています。今回の原因は自然災害の「雷」であったことから、この保険適用で被害額のほとんどがカバーできました。お客さまには「改修費用が高額なため大変助かります。」と大変喜んでいただきました。なお、弊協会全体では、平成26年度は同様の事故23件、総額1,500万円(一件当たり最大400万円)の適用実績となりました。新潟西事業所 高橋 仁早朝から6名で事故対応 ―受電設備保証保険で助かりました―検査員の現場報告2

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