電気と保安 2015年 夏季号 Vol.262 東北電気保安協会
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太陽光パネル金具設置例優れた技術を持つ技術開発スタッフ5すね。太陽光パネルの普及が本格化した時にはすでに製品としては開発されていましたか。坂田:太陽光の需要が本格化してから開発をしたのでは遅いと考え、先行して製品開発を行っていました。しかし、ソーラーパネル取付金具製品を出してから、しばらくは赤字の連続でした。当時、太陽光発電は2008年で住宅用96%、産業用はわずか4%、当社が得意とする金属折板屋根に付けるケースはほとんど数字に現れないくらいしかありませんでした。 住宅用の建築金具をやるノウハウはありましたが、住宅用にはいきませんでした。売れるから売るんじゃないんです。そこには次の事業展開のためのシナリオがなければいけない。ここはじっと辛抱しなくてはいけない。それが次の発展のための種になると考えます。山下:しかし普通はビジネスチャンスで売れるチャンスがあったら住宅用建築金具の業界に行けばいいのではないか、なんで行かないんだと思うでしょうね。坂田:売れるものは何でも売る、儲かるものは何でもやるという考え方を別に否定はしませんが、それは私のやり方ではないのです。例えばお客さまから製品の問い合わせがあったとき、もし他社でより良い商品があればそれもお伝えしたりします。要はお客さまにとっての最大の利益を提供するということです。ただ、当社もいつまでも他社製品の後塵を拝することはありません。お客さまが喜ぶより良い製品を開発して、自信を持ってお奨めします。山下:一歩踏み込んで考えると、顧客にある特定の部品だけを売りたいというのではなくて、お客さまの屋根の全体をマネジメントする視点に立つという、懐の広い経営の目線を持つということですね。山下:サカタ製作所さまは、いち早く電気設備の一括更新をされるなど、私どもがことさら申し上げることもないほど電気設備の保守管理の面についても先進的な判断をされています。    現在、工場設備、加工機器など電気使用量も少なくはないと思いますが、節電については何かお考えをお持ちですか。坂田:節電ということで、キュービクルの契約電力も減らしたはずです。徹底的に電気の無駄をなくす方針で取組んでいます。実は当工場で一番電気を使うのはコンプレッサーです。そこで、コンプレッサーのエアー漏れを全社的にチェックしています。これでかなりの電気が節電できます。山下:なるほど、御社の場合はコンプレッサーの空気漏れがあればそれだけ電気使用量が増えるということだと思います。 弊協会でも省エネ相談なども承っておりますのでお役に立てることがあると思います。 必要な時にはご遠慮なくお声がけください。また私どもも、なおいっそう勉強させていただきますので、今後ともよろしくお願いいたします。 今日は、御社の先見的な経営哲学についてお話しいただき、たいへんありがとうございました。保守管理や節電も細かく目を配る

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