電気と保安 2015年 夏季号 Vol.262 東北電気保安協会
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鍛かじ冶3グッドカンパニー大賞副賞の純銀メダル平成26年度には第48回グッドカンパニー大賞優秀企業賞を受賞した坂田家3代。右が創業者坂田省司氏できて、なおかつ、生産設備と社員80人が必要とする土地の面積は約5,000坪と割り出し、年間の生産効率を計算して、長期の経営計画を組立て、最終的に工場を建設する立地を決めました。平成元年、与板町にサカタの新工場を建設したのです。山下:いわゆる労働供給力のリソースの算定をして決めたということですね。マーケットのことや労働力の供給も考慮して、長期的な展望を見て最終的な意思決定をする、経営の手法として極めて現代的なので驚きました。三条市の時に、漏電の可能性があった電気設備について、全面的に改善対策を施して安全管理を徹底したことは、地域の企業の模範となる画期的なものでしたし、与板町に移ってから平成6年には新潟県初の完全週休2日制を実施して、新潟県から表彰されていますね。常に時代の先を見据え、その先を見通す企業戦略を感じます。坂田:これからの私にとって、最も邪魔になるだろうと思われるのは、自分の成功体験です。確かに、成功経験の前例は参考になり自信にもつながります。しかし、その時の成功が一番の理想形とは限りませんし、環境も条件も全く違う現代において、また必ず成功するという保証はありません。 どうしても自分の成功体験に固執してしまい、他の意見を冷静に聞けなかったり、客観的に見れなくなった時、大きな判断を誤る可能性がそこにあると思います。つまり、社長である私自身の成功体験が、当社の最大のリスクとも言えるのです。山下:一般の金属加工業から、現在の屋根取付金具や、ソーラーパネル取付金具などの主力商品に至るプロセスや、方向性を選択してきた考え方について教えてください。坂田:先代である私の父(創業者・坂田省司)は中学卒業後、川崎の軍事工場に勤めていたのですが、終戦後、故郷三条市に戻ってきました。として独立したのが昭和26年で、それ鉋が創業です。かんな直販によって見えてきた市場環境先見的、革新的な経営戦略により、ノウハウを積み重ね、トップシェアを創り出す

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