電気と保安 2015年 夏季号 Vol.262 東北電気保安協会
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18国内の全年間消費電力量の内訳産業部門の全年間消費電力量の内訳出典 資源エネルギー庁「平成21年度エネルギー消費機器実態等調査報告書」送水ポンプ約1兆kWh《主要機器上位3品目の例》圧縮機(コンプレッサー)約4,850kWh三相誘導電動機が使用される主要機器の内訳送風機(ファン)その他約45%その他約25%三相誘導電動機約55%三相誘導電動機約75%運搬機械、産業用ロボット 3%農業用機械器具 4%金属工作機器 7%動力伝送装置 9%送風機13%その他 3%ポンプ38%圧縮機23%国内で使用している電動機の年間消費電力量は、約54百億kWhと国内における全年間消費電力量の約55%を占めています。また、産業部門だけに限ると、その全体の年間消費電力量4,850kWhの約75%を占めていることから、相当量のエネルギーを消費する機器といえます。このため、電動機を高効率化することで省エネルギーとなることから、平成25年11月1日付けでトップランナー制度の対象機器に追加されました。なお、判断基準の目標年度は平成27年度から始まり、国内の製造メーカーは基準エネルギー消費効率に合致した製品を製造、販売することから、従来の電動機の調達が難しくなります。効率)、IE2(高効率)、IE3(プレミアム効率)の3クラスが定められています。現在日本で使用されている電動機の97%がIE1であるのに対し、米国では、IE2とIE3の合計が70%、欧州でもIE2が12%と、欧米では高効率化が進んでいます。国内で使用されているIE1の電動機全てがIE3に置き換わった場合、国内の全年間消費電力量の約1.5%に相当する約155億kWhの省エネ効果があると試算されています。約1億台三相誘導電動機三相誘導電動機(以下「電動機」という。)は、電気エネルギーを運動エネルギーに変換する機器で、ポンプや圧縮機(コンプレッサー)、送風機(ファン等)、工作機械等のさまざまな機器に利用されています。国内に普及している電動機は約1億台あり、使用されている主要機器上位3品目(ポンプ、圧縮機、送風機)で全体の約70%を占めています。交換時の注意点 既存の電動機と交換する時は、次の事項に注意が必要です。① 外形寸法・質量の増加による周囲機器との干渉。② 定格回転速度の増加による消費電力の増加。③ 始動電流の増加によるブレーカー、サーマルリレー等の容量確認。省エネルギー効果電動機の効率レベルについては、世界的な規格であるIEC(国際電気標準会議)規格で、IE1(標準三相誘導電動機 トップランナー制度の対象機器に

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