電気と保安 2015年 春季号 Vol.261 東北電気保安協会
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弊協会の総合技術センター(山形市)は、職員の教育・研修と電気に関する研究・開発を行っておりますが、併せて協会事業所の技術支援も行っています。この技術支援を行った一例として、広範囲の敷地に埋設された低圧ケーブルの地絡地点を特定することが出来た事例を紹介します。今回は電気主任技術者を選任されているゴルフ場の、電気工事を行っている会社から弊協会の事業所に相談がありました。相談内容は「地中に埋設された低圧ケーブルの何処かで漏電しているが見つけることができない。保安協会で対応していただけないか」とのことでした。事業所では広範囲なうえ埋設経路の図面に不明な箇所があり、単独での調査は難しいと判断しました。そこで総合技術センターに応援の要請があり、出向いて支援することにしました。現場で状況を確認した結果、低圧ケーブルの幹線は長さが3,000mほどあり、その幹線から分岐された低圧ケーブルも数か所へ分岐されていました。そして、接続部は地中に埋設されていたため、地上からの確認はできませんでした。目に見えない地中の漏電個所を探査するため、今回は“1,000Vインパルス発生器”(弊協会開発品)、“埋設管探査器”及び“マーレーループ法事故点測定器※”の3種類の測定器を使用することにしました。最初に1,000Vインパルス発生器と埋設管探査器を使い、低圧ケーブルの埋設経路と地中分岐点の特定を行います。次にマーレーループ法事故点測定器を使用し、漏電している回路とその個所の探査を行います。その結果、漏電個所は旧管理棟の、低圧ケーブルが建物屋側に立上る埋設部と特定することができました。その探査結果を依頼のあった電気工事会社に報告しました。今回は現地到着から漏電個所の特定まで約5時間を要しました。後日、電気工事会社で低圧ケーブルを掘り出し確認したところ、弊協会で特定した場所で漏電していたことが確認され、その後の復旧工事を効率的に進めることが出来たとのことでした。総合技術センターではこのような事業所に出向いての技術支援を年3回程度行っています。また、弊協会は第一種電気主任技術者をはじめ数々の有資格者を擁し、最新技術及び最新機材並びに今までの経験の積み重ねを活かし、お客さまに貢献してまいります。電気に関することでお困りの事がありましたら、お近くの事業所又は弊協会ホームページにお問い合わせください。※ 測定点から故障点までの距離をブリッジ回路の計算で求めて探る方法。6低圧ケーブルの地絡地点探査で技術支援

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