電気と保安 2015年 春季号 Vol.261 東北電気保安協会
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東東5ドラム式コードリールは、便利なものですが使い方を間違うと思わぬ事故に至ることがあります。今回は、点検で伺ったお客さまで“ヒヤッ”とした事例を紹介します。〔状況〕少し肌寒くなってきた季節に、あるお客さま(プラスチック成型工場)へ点検に伺いました。お客さまの構内を巡視中、電気ストーブを使用しているのが目に留まりました。電気ストーブは、作業台の下に置いて使用しており、ドラム式コードリール(30m巻)のコードが巻いたままの状態でつながれていたのです。すぐに触手をしたところ、コードがぬるま湯くらいの温かさに感じました。“ちょっと変だぞ!”近くで作業中の女性従業員の方に事情を説明し、詳しく調査しました。電気ストーブは600W/1,200Wの2段階切替式のものでした。また、コードを巻いたままのドラム式コードリールは温かい程度の温度でしたが、それを引き延ばしたところ、とてもビックリしました。内部のコードは長く触っていられないほど熱くなっていたのです。〔原因と復旧〕原因は、コードをドラム式コードリールに巻いたまま使用したことから、熱の逃げ場がなく過熱していたものです。ドラム式コードリールの「安全上のご注意」には、「巻いたまま使う場合6A以下まで、全部引き出せば合計で15Aまで」とされています(製品により異なります)。女性従業員の方に、温かくなったドラム式コードリールのコードを触ってもらったところ、大変驚かれておりました。ドラム式コードリールを全て引き延ばして再度使用していただき、しばらくしてから触手しましたが発熱はなく一安心でした。〔お客さまの声〕「ちょっとした使用方法の違いや誤った使い方で過熱することを知りビックリしました。火災になる前に見つけてもらってよかった。」と感謝の言葉を頂きました。〔まとめ〕今回は、“ドラム式コードリールの発火”といった事故に至らずに済みましたが、ひとつ間違えれば火災など、取返しのつかない状況になっていたかもしれません。今後も、正しい電気器具等の取扱いをお客さまに分かりやすく説明し、安心かつ安全に電気を使用していただけるように努めたいと思います。燕三条事業所 髙橋 勝之〈「電気と保安」冬季号(Vol.260)の追加説明〉 P8「検査員の現場報告3」について、発電機を使用する場合、国への確認が必要となる場合があります。事前に弊協会にご相談くださるようお願いします。安全上のご注意(記載例)〔調査〕ドラム式コードリールからの発火を未然防止検査員の現場報告2

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