電気と保安 2015年 春季号 Vol.261 東北電気保安協会
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東東4資材手配から取替復旧まで迅速に対応したことで、お客さまに大変喜んでいいただいた事例を紹介します。お客さまから午前10時頃「製材機械のモーターが大きな唸り音を出して動かなくなった。この機械が動かないと製材出来ないため、すぐに見に来て欲しい。」と事務所に連絡がありました。別のお客さまに向かっていた私は急遽予定を変更し現場に駆け付けると、仕事が出来ずに心配そうにお客さまが待ち構えていました。〔調査〕早速、モーター(2.2kW)の配電函電源側の電圧測定を行ったところ問題は無いことから、ヒューズを交換し配電函のスイッチを入てみると“ブーン”という大きな音がしたためすぐにスイッチを切りました。次にモーターの負荷状況を確認するため手で回してみましたが普通に回転、負荷はかかっていませんでした。〔原因〕なかなか原因までたどりつけませんでしたが、一呼吸おいてから配電函とモーターの間に問題があるのではないかと思い調べたところ、1相だけ接点が摩耗しているのを発見。「ここだ!」この箇所の接触不良が原因で欠相運転※となっていたのです。この配電函は、設置から20年を経過しており、毎日の使用により内部の接点が摩耗したものと思われます。〔復旧〕お客さまは、「このままでは製品の納期に間に合わない、困った。何とか復旧できないものか。」と緊迫した様子でした。今まで使っていた配電函は古い機器であるため、それを現在流通しているモーターブレーカーに交換する事にしました。いつも取引のある電気資材の卸業者に問合せしたところ、ちょうどその在庫があるとのこと。「良かったー」とすぐに取りに走りました。新しいモーターブレーカーは今までと寸法が違うことから、本体の取付けや配線の取回しに苦労しましたが、交換後に異常なくモーターが動き出した時にはお客さまと一緒に喜びました。「やったー!」この時すでに午後2時をまわっておりましたが、長い時間をかけた苦労が報われた思いでした。〔お客さまの声〕「最初はモーターが壊れたかとヒヤリとしました。配電函が原因とはびっくりです。」そして「すぐに駆けつけてくれて安心しました。モーターが壊れていたら、早期復旧は難しいだろうし、今日の仕事をどうすればいいか心配でした。新しい機器の手配から交換までやってくれて助かりました。」と喜んでいただき、私も本当にうれしくなりました。〔まとめ〕古いスイッチ等については、経年劣化により接触不良になることがあります。今回は幸いにもお客さまから近い場所にちょうど合う機器がありましたが、部品によっては取寄せに時間を要す場合もあり、大きなリスクとなります。日頃から早めの電気設備の更新をお願いいたします。大船渡事業所 酒井 栄敏※ 3相電源のうち1相以上の電源が無くなること。内部で接触不良となっていた配電函〔状況〕製材機械の故障復旧に全力で取組む検査員の現場報告1

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