電気と保安 2015年 冬季号 Vol.260 東北電気保安協会
9/24

東東ひび割れした碍子7今回は、お客さまの冷静な状況把握が早期解決につながった事例を紹介します。お客さま(小学校)から夕方5時頃に「停電しています。分電盤のブレーカーは切れていないので見てほしい。」との電話がありました。お話を聞いたところ、落雷と同時に停電したとのことでした。私はお客さまの構内にある「高圧気中開閉器(高圧のスイッチ)が切れているかもしれない」と思い、職員2名でお客さまへ向かうことにしました。その小学校への到着は午後6時頃で、建物内は真っ暗な状態となっており事務員の方も不安な様子でした。連絡責任者の方より鍵をお借りし受電設備を確認したところ、思ったとおり高圧気中開閉器が切れていることが確認できました。「変わったことはなかったですか?」とお聞きしたところ、「落雷の発生と同時に電柱のほうで強い光があった。」とのお話がありました。これまでの経験から、電柱の上の碍子が落雷の衝撃で損傷したのでは、と考え電柱に昇って碍子をひとつひとつ入念にチェックしていったところ、予想どおりひび割れし損傷した碍子を発見しました。「これだ!」碍子がひび割れた原因は、落雷による大きな衝撃に耐え切れなかったものと推測されます。電柱上での復旧作業を進めながら、事業所に連絡して緊急対応のために備えてあった応急資材を取り寄せる手配をしました。強風と雨の中での作業で、機材を揚げ降ろしするロープが風にあおられるなど苦労はしたものの、約2時間後には復旧することができました。「雷と同時の停電だったので、はじめはこのあたり一帯の停電かと思いましたが、まさか自分のところだけ停電しているなんて思いもしませんでした。真っ暗だと不安になりますが、電気が点くと本当に安心します。早急に応急処置をしていただいて助かりました。」とのお話をいただき、職員室に灯りが点いたことを喜んでいただきました。今回はお客さまへの問いかけと、お客さまからの的確な情報が早期の復旧につながったものと思います。これからもお客さまの声に耳を傾け、正確・迅速・丁寧に対応していくことを心掛けていきます。本荘事業所 柴田 宏栄〔状況〕〔調査・原因〕〔復旧〕お客さま構内の電柱で強い光-そのお申し出が決め手でした-〔お客さまの声〕〔まとめ〕検査員の現場報告2

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る