電気と保安 2015年 冬季号 Vol.260 東北電気保安協会
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東東接触不良箇所6難しい電気事故を迅速に解決することができ、お客さまに大変喜んでいただいた事例を紹介します。農事用揚水機場のお客さまから事業所に「キュービクルから異音がするので、このまま揚水ポンプを運転していいのか確認してほしい。」との連絡がありました。その連絡を出先で受けた私は、ポンプが故障すれば水の供給が止まり、水田の稲に大きな影響を及ぼしてしまうと判断し、予定の仕事を変更して現場に2名で急行しました。揚水機場に到着したところ、心配そうな顔をした連絡責任者の方とポンプ運転担当者の方が待っておられました。早速、キュービクルに近づくと変圧器の付近から「キィー!キィー!」と音が聞こえます。揚水ポンプはすでに運転を停止し、そのほかの電気設備も運転していない状態で異音が発生していました。原因を調査しようとした時、ふと過去に先輩が「接触不良によりラジオにノイズが入ることがある。」と話していたことを思い出しました。そういえば、揚水機場に到着したとき、ラジオにノイズが入って聴こえない状況で、お客さまの設備のどこかに接触不良の箇所があるのでは、と考えました。早速高圧気中開閉器を点検したところ、開閉器負荷側の配線に不自然な曲がりがあるのを発見しました。もしかすると配線の接続部分で接触不良になっているのでは、と思いこのままの状態で揚水ポンプを運転すると、機器焼損のおそれがある事をお客さまへ説明し、電気工事会社へ対応して頂くことの了解を得ました。電気工事会社で調査の結果、やはり配線の接続箇所が接触不良となっており、すぐに改修してもらい無事に対応を終えることができました。お客さまからは、弊協会の組織力、技術力と迅速な対応を高く評価をいただき、「いつもながら困ったときに頼りなるのは保安協会だね。時間がない中対応が早くて助かったよ。ありがとう。」と感謝の言葉を頂戴しました。以前聞いた電気事故の知識が役立ちました。日頃から職場で「今日の事故対応は……。原因は……。」などと話し合い、情報を共有できるのが弊協会の良いところで、経験談には技術力を築く重要なヒントがあるのだと実感しました。宮古事業所 千葉 健太郎〔状況〕〔調査〕〔原因と復旧〕職場コミュニケーションの力―高圧受電設備での接触不良を早期発見―〔お客さまの声〕〔まとめ〕検査員の現場報告1

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