電気と保安 2015年 冬季号 Vol.260 東北電気保安協会
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安積疏水土地改良区さま事務所十六橋水門東北電気保安協会常務理事石岡 修十六橋水門と安積疏水事務所(明治15年撮影)2猪苗代湖は会津藩、安積は二本松藩で、二本松に会津から水を持ってくるなどということは考えられなかったけれども、明治では合併して1つの県になり、障壁は一応なくなった。とはいえ、猪苗代の水を東の安積に持ってこ今季号のお客さま石岡:安積疏水は、琵琶湖疏水、那須疏水と並んで日本の三大疏水と言われますが、他の疏水に先駆けて造られていますので日本の疏水のまさにパイオニアと言えるのではないでしょうか。明治初期、日本の国力の基礎となる社会インフラが次々と整備され、殖産興業が展開されていく大きな流れの中で、安積疏水は特に重要な事業だったと思われます。まず、その概要から教えてください。本田:安積疏水とは、水利がよくなくて不毛の大地だった安積原野を開拓し、猪苗代湖からの水を引いて水路を設け、実りを生む大地に変えるという、近代日本における国直轄の農業水利事業の第1号だったわけです。江戸期には、安積疏水土地改良区理事長本田 陸夫さま近代化を急ぐ明治の日本が、国家的事業として遂行した安積疏水。日本海に流れていた猪苗代湖の水を、山を越えた東側の安積原野に導く、という難工事を当時の政治家、開拓者、地元の有志などが中心となり、とてつもない労力をかけてやり遂げたのでした。その安積疏水の歴史を見守り、水に潤う大地を育んできたのが安積疏水土地改良区。本日は、安積疏水土地改良区 本田陸夫理事長をお訪ねし、弊協会常務理事 石岡修がお話をうかがいました。近代日本の疏水のパイオニア福島県郡山市 安あさ積か疏そ水すい土地改良区 さま

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