電気と保安 2014年 秋季号 Vol.259 東北電気保安協会
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6蒸気バルブ断熱材取付前のバルブの状態低い←温度→高い断熱材取付前の放熱状態断熱材取付後断熱材取付後のバルブの状態低い←温度→高い断熱材取付後の放熱が激減している状態今回は熱分野の省エネ事例について紹介いたします。上越総合病院さまは、省エネ法のエネルギー管理指定工場に指定され、省エネやCO2の排出抑制にも力を入れています。省エネ診断弊協会で省エネ診断を実施したところ、蒸気配管部分はしっかり断熱化されているものの、25か所あるバルブ類には断熱材がありませんでした。熱画像カメラで分析したところ、その表面温度は150℃以上もあり、放熱によるエネルギーの損失が大きいことが確認できました。対応上越総合病院さまでは、蒸気ボイラーを24時間運転していることから、断熱材を取付けることにより、年間で都市ガス約19,000㎥(原油換算値約20,000リットル)の使用量削減、金額ベースでは約110万円の経費節減となり、CO2約40tの排出量削減につながることがわかりました。断熱材の取付けにかかる経費も、早期回収が見込めることから、早速担当者さまにご提案したところ取付作業は半日で終了しました。なお、蒸気バルブを修理する際に一時的に取外すことを考慮し、断熱材はマジックテープで容易に着脱できるものとしました。(※)弊協会のサービスの一つです。パソコンの画面上で「電気エネルギーの見える化」ができることから、電気の効率的な使用が可能となり、電力のデマンド値を監視することにより電力ピークを手動または自動でカットし、電気料金の節減を図ることができます。病院等におけるエネルギー使用の割合は、「電気」と「熱」が半々程度であることが多く、熱エネルギーのムダの削減も重要な要素の一つです。今まで見落とされがちだった熱分野についても、熱画像カメラなどを使用すると比較的簡単に省エネ診断を行うことができます。上越総合病院さまは、併設されている老人保健施設にも、デマンド監視装置(Web方式)(※)の導入や、吸排気ファンへのインバータの取付けによる節電にも積極的に取組まれています。今後も弊協会の協力を得ながら、省エネを進めていきたいと話されていました。新潟事業本部お客さまの声「ボイラー室は暑いものだと思っていましたが、これを付けた途端にひどい暑さがなくなり本当に楽になりました。今回の断熱材取付けによって経費節減の効果はすごいことがわかりました。ありがとうございました。」と喜びの声をいただいています。まとめ「蒸気配管バルブへの断熱材取付け」により経費を節減新潟県厚生農業協同組合連合会 上越総合病院さまの省エネ取組み状況のご紹介

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