電気と保安 2014年 秋季号 Vol.259 東北電気保安協会
6/24

4 高圧受変電設備で地絡や過電流の事故が発生した場合、電力会社の変電所やお客さま構内の健全な設備(以下「上位系統」という)に影響させないようにすることを「保護協調」といいます。 保護協調を保つためには上位系統の保護継電器の動作設定値や動作するまでの時間に差を設け、その動作を段階的に行うことで、停電の範囲を最小限にすることが重要となります。保護協調が保たれていない場合は、お客さまの構内の健全な設備までもが停電したり、電力会社の変電所からの送電を停止させ、他のお客さまや一般家庭などを停電させる「波及事故」となる場合があります。 保護協調には地絡時を考慮した「地絡保護協調」と短絡(ショート)時を考慮した「過電流保護協調」の二種類があり、人工地絡試験は「地絡保護協調」を確認するための試験です。弊協会で行っている人工地絡試験について 高圧受変電設備を安全に使用し維持運用するためには、定期的な点検と保守管理が重要です。 何らかの原因で高圧受変電設備に電気事故が発生した場合は、危険を回避するために保護継電器が動作し停電しますが、その範囲は最小限に留め、他の健全な設備に影響させないことが重要となります。 今回は、人工的に地絡(高圧の漏電)を発生させてその保護継電器の動作を確認する試験について紹介します。1 保護協調とは

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る