電気と保安 2014年 秋季号 Vol.259 東北電気保安協会
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原南電3蒸した米を冷ます作業仕込蔵内仕込み作業主な商品島かけて春や立つらむ 源実朝(金槐和歌集)」と出会い、当時の摂政宮、後の昭和天皇にお酒を献上したのを記念して、特上酒よりも高品質のお酒に浦霞と命名しました。昭和に入り、戦時下の級別制度開始より、「浦霞」に酒銘を統一したのです。─ 原料米はどのくらい精米するのですか。酒造りは、お米に含まれているでん粉が麹の働きによって糖に変わり、その糖分が酵母菌によってアルコールに変わるという仕組みです。原料のお米にあるでん粉は内部のほうが多くて、当社でも大吟醸は精米歩合40%としています(つまりお米を60%削ることです)。大吟醸は、発酵の温度も低く、酵母菌にとって栄養不足気味のままじっくりと発酵させることで華やかな香りを出しているところがポイントなんですよ。─ 杜氏には資格があるとお聞きしましたが。全国各地に代表的な杜氏の集団があり、当社の杜氏が所属する南部杜氏協会というのは、その中でも最大勢力の一つです。杜氏の資格を取るには、講習会にいくつかの段階がありそれを終了しなくてはなりません。以前は岩手県出身者でないと受験できなかったのですが、後継者が少なくなり伝統を守っていくのが難しくなってきたので、県外会員という仕組みを作りました。何年かセミナーに通ったり、経験や役職などの累積点数で受験資格はできます。─ 電気の安定供給について、お気づきの点は何かございませんか。発酵しているときの温度管理に電気は絶対に欠かせません。とにかく製造から貯蔵まで電気がないのは考えられません。それに、米洗いのときに水を使い機械を動かしますし、米を蒸かすのに蒸気を使ったりするため湿度が相当に高くなることから感電が心配です。また、塩竈は特に住宅が密集しているところのため、大きな火事になる可能性があります。漏電を起こさないためにも、基礎知識を知っておくことは、電気を取り扱う上で必要なことだと思っています。弊協会では、お客さまからご要望があったときは電気安全セミナーを実施しています。ぜひご利用いただきますようにお願いいたします。本日は、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。料の精米について部杜氏について気の安定供給「日本酒文化」を伝えていくために、高品質の酒造りに精進する醸造元。

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