電気と保安 2014年 秋季号 Vol.259 東北電気保安協会
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3412343412123412切るな私は、点検終了後いつも「何かあったら連絡してください」とお客さまにお声がけをしておりますが、それによりお客さまから電話をいただき、思いがけない配線間違いを見つけることができました。私にとってお客さまからの信頼を実感できた大変うれしい出来事でした。お客さまから「昨日まで点灯していた倉庫の照明が、今朝スイッチを入れても点灯しなくなったのですが……」と弊協会の事業所に連絡がありました。出先でその連絡を受けた私は、予定を変更し、そして、「前回点検時に何か見落としていたのだろうか」と気にしながら、直ぐにお客さまのところに向かいました。現場に到着したところ、連絡責任者の方は待ちわびた様子で、合流後、直ぐに倉庫へ向かいました。照明が点灯しないと倉庫の中は真っ暗で足元も良く見えなく、仕事にならないとのことでした。倉庫の照明のスイッチを“入り切り”してみましたが、確かに照明は点灯しません。また、電灯分電盤を確認しましたが、ブレーカーは全部“入”状態であり、ブレーカー負荷側の電圧も正常でした。これは、スイッチの接触不良ではないかと考え、壁面にあるスイッチを取外してみると、照明の入り切りを2か所からできる「3路スイッチ」になっていました。「なるほど、そうか!」連絡責任者の方にもう1か所スイッチがないかお尋ねしたところ、倉庫の反対側の出入口にもスイッチがあるというのでそれを探しました。スイッチは、積み重なった段ボール箱の陰になっており、「切るな」と表示されていました。試しにそのスイッチを反対側に押してみたところ照明が点灯しました。「やはりそうだ」原因は3路スイッチの配線間違いでした(図1)。従業員の方々は、十数年前の新築当初からそういうものだと思いこみ、反対側出入口のスイッチは操作禁止にしていたとのことです。それが、今回、倉庫内を整理する際に段ボール箱が傾いて照明スイッチにぶつかり、反転させたのでした。その旨、連絡責任者の方に説明し、正しい配線に改修しました(図2)。「倉庫が暗いと荷出しが思うようにいかないので、大変助かりました。電気工事店にお願いしようと思っていたのですが、いつも点検が終わって帰り際に『何かあったら連絡してください』とお声がけいただいていましたので、保安協会に連絡しました。配線まで直してもらいありがとうございました。」とのお話をいただき、十数年来にわたり見逃されていたことが解決しホッとした様子がうかがえました。日頃からお客さまにお声がけしていたことが信頼につながり、お役に立てて良かったと思います。私たちは、「電気のことなら何でも相談」をモットーにお客さまの声に迅速に応えていきたいと心がけています。図1 誤った配線図1 誤った配線000000001図2 正しい配線酒田事業所 杉山 雄祐図2 正しい配線〔状況〕〔調査〕〔原因〕「何かあったら連絡してください」がよかった―その一言で信頼していただきました―〔復旧〕〔お客さまの声〕〔まとめ〕検査員の現場報告東東

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