電気と保安 2014年 夏季号 Vol.258 東北電気保安協会
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サムクラゲから来てくれます。米田:クラゲは今何種類ぐらいいるのですか。村上:45種類から50種類の間を行ったり来たりです。今年は50種類を超えるでしょう。米田:広い範囲から集めるのですか。村上:日本中からです。昔ある日、海の荒れた日に、海を見ながら副館長と「ゆくゆくは日本一もやりたい。世界一もやりたい。クラゲ水族館を建てたい」と話していたとき、ここの海は大荒れだが、四国や九州では春の陽気ではないか、クラゲもいるようだし友達になって送ってもらうことはできないか、と思ったのです。夏を過ぎて秋になると今度は北海道が盛りでいろいろなクラゲがいるらしい。日本中の要所要所に友達を作れば、ここは季節外れでも、クラゲが終始送られてくるようになる。そこに気付いたのです。それで仲間作りを進めました。今はそれが大きな支えになっています。米田:お互いにやり取りするのですか。こちらのクラゲを向こうに送るし、向こうのクラゲをこちらに送ってもらうと。村上:相手は水族館だけじゃないです。漁師さんだったり、大学の研究施設だったり、業者さんだったり、いろいろです。こちらからクラゲを送ることも、お金を払うことも、ただのこともあります。米田:すると、水槽の水の温度は全部違うのですか。村上:そうです。みんな変えています。クラゲ展示を充実させていく上で、仲間をたくさん作ったことが一番の力になりました。私たちが得たノーハウを相手が望めば全て与えました。一般には秘密主義の水族館が多いのですが。そうやって、いい仲間を作っていきました。日本中に協力者がいて、この水族館は成り立っています。 加茂水族館は、一時民間所有になっていましたが、平成14年に市が買い戻しました。それ以来、経営は自前でやってきました。貯めた金から1億2千万円を市に寄付しました。貧乏水族館の心意気です。米田:それはすごいことですね。村上:上部機関の了解を待っていては何も前に進みません。自己責任で経営し、稼ぎながら12年間をやり通しました。優等生では経営はできないというのが実感です。米田:すると、はっぴに書いてある「いい加減に生きる」にはうそがありますね。村上:あるかもな。一生懸命やって、やり通しました。米田:ここは、新しい建物の中ですが、この建物は6月1日にオープンの予定とのこと。もうすぐですね。村上:古い建物が傷んできたので、新しく大きい建物を建てることになりました。米田:鶴岡市は、藤沢周平さんの小説の舞台としても有名ですし、映画村もあります。出羽三山などを含め遠くから観光で訪れる方が多いでしょう。加茂水族館に立ち寄られる方も益々増えるのではないでしょうか。村上:今、お話ししているこの場所は海の幸を味わえるレストランになります。おいしい料理をお出ししますよ。もちろん、クラゲ定食、クラゲウィンナコーヒーも出します。米田:窓の外の海の眺望もすばらしいですね。村上:大きな方針は、市の予算に頼らないで自力で運営することです。これまでも市の予算は1円も使ったことはないのです。自力で経営することに面白さがあって、職員の皆が真剣勝負というか、自分の働きが自分の給料に影響するという気持ちで努力しています。村上:湯野浜温泉もそうですがこの辺りは冬の気候が厳しく、塩水の影響で停電事故が多いのです。 昔は、発電機が無かったので、停電時には、魚を生かすため水槽を人力で回していました。 今は、発電機を起動して魚を生かす装置を動かすようになりましたが、照明までは足りません。米田:当協会の鶴岡事業所からは普通25分ほどで到着できるそうですので、迅速な対応が可能です。職員の高い能力と組織力で良い仕事を提供し、お客さまに喜んでいただけるよう努力して参りますので、これからもよろしくお願いいたします。村上:協会の皆さんは優秀な方ばかりで、真面目で、感じもいいし。いいですよ。米田:ありがとうございます。5大切な生き物を守るために(電気安全)

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