電気と保安 2014年 夏季号 Vol.258 東北電気保安協会
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ラビアータ(ミズクラゲの一種)ヤナギクラゲ村上:日本一の展示になったものの、入館者は逆に減りました。 その時に思いついたのです。秋口になるとこの海に青い丸いクラゲが泳いでくる。食べられるクラゲです。最後の手段として、人を呼んでクラゲを食べる会をやろうと思いました。でも皆本気にしないで笑っていました。米田:結局やったのですか?村上:やりました。学校の先生や料理の専門家を招待しました。「腹は壊させませんから食べに来てください。」「クラゲはまだ試食しておりません。」料理の名前も面白おかしい名前を付けてメニューに載せて招待状を送りました。皆さん、おもしろがって来ました。呼ばない人まで来ました。どんちゃん騒ぎになりました。あまりにも面白くバカくさいものですからテレビが日本中に流してくれました。米田:それで、おいしかったのですか?それは。村上:うまいものではない。生臭くて、トイレに走っていく人もいた。それが面白い訳ですよ。館長がなかなか食わなかったと。危ないんではないかと食わない人もいました。越前クラゲも大きいものが一つとれたので、これも食べました。翌年、越前クラゲが大挙して日本にやってきました。そのたびに私のところがそれを食べているというので一緒にニュースになって流れるのです。だんだん有名になりました。その年は、後半に入館者が増えて借金を返すことができました。 事業というのは真面目に考えてこれがいいと思ったのは先ずだめだ。私はそうでした。ユーモアがそこにないと人の心はつかむことができない。大きな悟りを得ました。米田:お客さんがおもしろがらないとだめだということですね。ろうと私が借金してきて種類を増やして日本一になりました。水族館の上に日本一と書いた大きい垂れ幕を作って掲げました。「恥ずかしいからやめてくれ」と副館長があまり言うので引っ込めましたが。村上:心から受け入れてくれない。それから、越前クラゲのアイスクリーム。捕まえてきて、塩漬けにして、練りこんで。大反響でした。年間1千万円ぐらい売れました。 次に、クラゲ入りまんじゅうと羊かんを作りました。これも大きな効果がありました。みのもんたさんが新聞で紹介してくれました。テリー伊藤さんがテレビで紹介してくれました。ものすごいPR効果でした。米田:その中に、何かおいしいものがありましたか?一つくらい。村上:クラゲを入れない方がうまいですよ。このはっぴに書かれた格言を見てください。「いい加減に生きよう」これですよ。肩の力を抜いて、人がしないようなバカくさいことを平気でやる人間になろう。米田:そうですかぁ。私は、常々職員には、誠実に仕事をやろうと言っているんですが。村上:まあ、職種にもよりますから。保安協会と水族館は違うかもしれません。それに、ここでいい加減なのは私だけです。若い人たちは皆まじめにがんばっています。米田:先ほど、オープン前の展示内部を見せていただいたのですが、色々なクラゲがいますね。光っているクラゲもいました。瓜のような形のクラゲで、ただ浮いているように見えたものもありました。どのように水を噴き出して推進力を出すのか不思議でした。村上:周りに8本のひだがあって、透明な毛みたいなものが生えています。それを動かして泳いでいるのです。これからも色々なクラゲが送られてきますので、オープンの時には相当充実しているはずです。こんな小さな水族館ですが、クラゲでこれだけやっているところはありません。巨大水槽を導入して巨大化の方向に走って行った水族館が日本にも世界にも多かったのです。クラゲ水族館というのはこれまでにはなかったので、皆さん興味を持ってくれています。オープンの時には世界中の水族館4クラゲを食す!!(発展期3)全国の仲間といい関係つくり(現在)

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