電気と保安 2014年 春季号 Vol.257 東北電気保安協会
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写真2 例:電流−電圧特性測定装置写真3 例:故障セル特定装置5 太陽電池ストリング※2ごとの電流-電圧特性を測定することができます。大容量の太陽電池においてもストリング相互間の比較をすることで異常診断ができます。 また、結果をパソコンに取込み、データ保存ができますので、初期状態時の電流-電圧特性図と現在の電流-電圧特性図を比較することもできます。(2)故障セル特定装置(写真3参照) a 用途   各ストリングを構成する故障モジュール・故障セルを探査する装置です。 b 特徴 モジュール間配線の断線、コネクタ接続不良箇所の特定が可能です。 また、故障モジュール及び故障セルの特定が可能です。 更には、複雑な配置・接続となっているストリングごとの回路を特定でき、保守管理用ツールとしても活用できます。 以上の電流-電圧測定装置と故障セル特定装置を活用し、ストリングごとの開放電圧※3などを定期的に測定することで、セルの故障等を早期に把握することができます。 また、太陽光発電設備で最も自然環境の影響を受けやすく、劣化による異常が生じやすい太陽電池アレイをトータルで管理することができ、定期点検と合わせて行うことで点検精度の向上につながります。※1 電流−電圧特性:太陽電池の性能をあらわすもの※2 ストリング:モジュールを直列や並列に接続し、ひとつの集合体としたもの※3 開放電圧:開閉器を開放した状態で、発電した電気を供給していないときの電圧●太陽電池の機能確認用ツールの紹介(オプション診断) 太陽電池が正常に機能しているかどうかを検査する手段の一例として、太陽電池の電流-電圧特性※1を測定するツールと故障セルを特定するツールをご紹介いたします。(1)電流-電圧特性測定装置(写真2参照) a 用途   太陽電池モジュールの電気的な異常を検知する装置です。 b 特徴3 長くお使いいただくためのメンテナンスについて 当協会では各点検項目について、定期点検(月次点検、年次点検)を行い、発電設備の安全の維持に努めています。しかし前述の要因により、発電量が低下する可能性がありますので定期的にメンテナンスを行うことが必要です。4 おわりに 大規模な産業用太陽光発電設備では、1,000kW以上の発電を行っているケースもあり太陽電池に異常が生じた場合、多大な損害が生じるとともに故障探査に膨大な時間を要します。 したがって、故障を起こすことなく安定的な発電を行うためには、定期的な点検やメンテナンスが必要なことから、積極的な予防保全をお勧めいたします。 詳しくは、最寄りの事業所または担当検査員にお問い合わせください。

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